深川に小津安二郎監督の展示があるというので、ちょいと出かけてまいりました。
門前仲町駅から歩いて15分くらいのところにある、古石場文化センターの中にあります。「こいしば」ではなく「ふるいしば」と言うそうです。
小津監督の帽子、『彼岸花』に出てきた湯呑み茶碗、撮影で使われた低い位置に固定されたカメラや台本のほか、当時のポスターやチラシ、原節子さまのブロマイドなどなどを見ることができました。
おもしろかったのは映画館に置かれていたであろうチラシ。二本立てなので『東京物語』の原節子&香川京子の間に同時上映作品(小津監督のではない)のチンドン屋みたいな男女の絵が挟まれていました。女神・原節子の笑顔の横にそれ配置する??? という破壊的なレイアウトで、当時のデザインのおおらかさを伺い知ることができました。
台本が開いてあるページの前では、他に展示を観にきている人がいなかったので、もちろん声に出してモノマネをしました。一緒にいた友人とともに。『小早川家の秋』で気の進まない縁談を勧められて「ないわー」と思っている時の原節子の「はァ」を何度も発音しながら、考えただけでげんなりしてしまう森繁久彌との再婚を妄想しました。
ミンクの襟巻きを中村鴈治郎に団令子がおねだりするシーンも、声に出してみました。なかなか濃いシーンです。
とても楽しい空間でした。関連書籍もまとめてチェックすることができます。
今回は映像を見たり台本をなぞるだけで時間が過ぎてしまったので、あらためて書籍を一冊ずつ見に来たいと思います。
ほかの人がいるときに音読しないように気をつけなくちゃ。
帰りに「小津橋」で、友人が写真を撮ってくれました。
Google Mapで見つけられます。古石場文化センターのすぐ近くです。
緊急事態宣言中は閉まっているようですが、映画好きの人には楽しいスポットかと思います。