韓国で2022年にベストセラーになったという、自己啓発本のような本でした。日本で売りやすくするためにこのようなタイトルになっているみたい。
わたしが中高生でこれを読んだら影響されただろうな。途中で入る詩や写真が、十代の頃に夢中になって読んだ銀色夏生さんの文庫本にあった世界と似ていました。
少し前に読んだ韓国の小説『フィフティ・ピープル』で垣間見たような、日本よりもさらにプレッシャーの濃い韓国の社会の中では、この著者のように他者を振り切り自分を鼓舞するフレーズが必要とされるのでしょう。
途中に入っている「クローゼットに潜むおばけ」「ひまわり」というエッセイが良くて、どちらも家庭内の居心地がよくない若年者の話でした。
核家族化やマンション住まいの閉塞感を描いたものは、日本の小説よりも韓国の小説のほうが身にしみてリアルに感じます。共通する苦しみとして広く共有されている肌感覚が明確に書かれているように感じます。
未来への不安を口にすることに対してすごく正直。
原語がわかるともっとJ-POPっぽく読めるのかな。