うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

好きな小説家10選(日本の作家) 

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選

 

このブログのプラットフォーム「はてなブログ」が10周年だそうです。おめでとうございます。
今日はその周年祭のお題のひとつに参加する形で書いています。

 

はてなブログ」というサービスが始まったのは、震災のあと。わたしはその頃から自分の気力・体力について考えはじめ、翌年に生活を変え、数ヶ月インドへ行ってきました。
その後、ブログと関連づけて語れるひとつの変化として「小説が読めるようになった」というのがあります。

 

▼5年くらい経ったときに、一度振り返っています


このブログの「読んだ本」のカテゴリには1500ほど記録がありますが、2012年まではほとんど小説がありません。エッセイや新書と同じように小説を読めるようになったのは2013年くらいからのことです。

▼それまでの自分についても振り返っています(ブログって便利!)

 

 

そんなこんなで、この10年のうちに何作品も読んだ、好きな小説家10選です。
いま生きている人や海外の作家まで入れると10人では足りないので、日本の昔の人に範囲を絞りました。有名な人物ばかりですが、もともと小説を読めなかったわたしにとっては、数冊読めれば「好き」と言えるレベルで、どの作家もここ数年でそのすごさを知った人です。

 

夏目漱石

長編は全て読み、自分で主催する読書会を何度も開催しました。

夏目漱石は『金七十論』(『サーンキヤ・カーリカー』註釈の漢訳)を読んでいたらしく、わたしがインドで学んできたノートの復習をしながら息抜きに読むと異様な親和性があり、その表現世界にどっぷりハマりました。

なのでわたしにとっては存在自体がありがたいような、ちょっと崇拝のレベルです。
伊豆の虹の郷へ行きました
新宿の記念館へ行きました

 

中勘助

インド三部作といわれている『犬』『提婆達多』『菩提樹の陰』を読んで以来、一番好きな作家です。『銀の匙』を書いた人として有名ですが、自分のエゴや人格の問題に手を差し伸べてくれる人として、この作家が最強と思っています。
先日、静岡の記念館(旧住居)へ行ってきました

 

林芙美子

センスが好きです。女性にも我欲がある。そのごく当たり前のことを絶妙なテンポで書いていて、そこが大好き。昨今ヒットしている、「わたしはこんなに傷ついた・我慢した・呑み込んだ」というメッセージにあふれた、うんざりするほど露骨なフェミニズム小説を読むと、林芙美子の作品を読んでリセットしたくなります。
新宿区中井の記念館へも行きました

 

坂口安吾

この人の文章を読んで好きにならない人っている? と思うくらい、魅力溢れる素敵な人。実物に会ったら惚れない自信がまったくないので、昔の人でよかった。好きの種類が感情的ですが、そのくらい作家そのものを丸ごと好きにさせる文章ジゴロ。

 

宇野千代

宇野千代さんは中村天風さんのお弟子さんで、もともとヨガから興味を持ってエッセイを読んでいたのですが、小説『おはん』を読んだら、そのとんでもない頭の良さに驚きました。着物のおしゃれな健康おばあさんだと思っていたら、若い頃の作品がすごかった。
山口県岩国市の生家へも行きました

 

谷崎潤一郎

細雪』はまだ読んでいないのですが、『卍』や『瘋癲老人日記』を読んで好きになりました。マイナーな作品もいちいちおもしろくて、なにかのツボが刺激されます。
わたしはたまに水天宮や人形町のあたりを歩くのですが、あの辺に行くと小説の世界に近づくことができて、ウキッとします。

 

島崎藤村

この作家は小諸市を歩いた時に興味を持ち、読むようになりました。

この人が立派な人物として扱われたこと自体が、人権意識に対する価値観のバランスの難しさを示していると思うような、ずるい日本語力がありすぎる人。日本語の巧妙さの暗黒面を教えてくれたという点で、島崎藤村は強烈な存在です。

 

芥川龍之介

『藪の中』『地獄変』のほか、仏教の絡んだ物語が好きです。宇野千代さんがモデルとされている『葱』を読んだ時には、身近な人のちょっとした物語をこんな風に小粋に書けちゃうなんて! と、タイトルのセンスも含めて、その能力に憧れました。

 

森鴎外

読んでみて、あんまり好きにならずに「変な人!」と思ったまま、いくつも読んでしまいました。好きじゃないけどおもしろくて、なんだかくやしい感じ。
記念館へも行きました

 

太宰治

安定のおもしろさというか、どれも毎回笑えるのに悲しくて、悲しいだけじゃないところが好きです。ユーミンaikoみたいな確実さ。聖書が元ネタのものをあんな風にできちゃうなんて、異常な才能だと思います。

 


こうやってリストアップしてみると「好き」ってなんだろうという気持ちになります。
尊敬はしたくないけれど、読んだ後にこの母国語で日本の世間を渡っていく糧になっちゃう島崎藤村とか、判断が複雑です。「誰が書いたのかではなく、何を書いたのかだ」と思えないと無理なところもあって。
文章って、こんな風に人格に対して複雑な感情を起こすところが、音声や映像とは違う大きな要素であるなと思います。

 

さて。
今回この10周年イベントを知ったのは「あなたのブログを掲載しました」というメールでした。
Gmailの自動フィルタで「プロモーション」に入っていたので宣伝メールと思っていたのですが、リンク先をクリックしてみたら、週刊はてなブログ編集部の方が選んだブログリストの中に自分のブログがあり驚きました。
他のブログを読んでみたら、ものすごくユニークでおもしろい人ばかり。そこに並ぶなんて光栄すぎるくらいです。


わたしはブログを「誰が書いたのかではなく、何を書いたのか」という設定から始まる出会いがあるところが最大のおもしろさと思っています。実際この10年の間にブログをきっかけにわたしを知ってくださった多くの人と知り合い、対面で会い、今日も一緒に都内のスタジオでヨガの練習をしてきました。

コロナ以前は東京以外でもヨガクラスを開催し、海外に住みながら読んでくださっているヨガ仲間ともたくさん出会えていました。みんな元気かな。

なので、はてなさんには大変感謝しています。

10周年おめでとうございます。

 

はてなブログ10周年サイト

hatenablog.com


おもしろいブログがたくさん紹介されていますよ!