これいいよ! こんなのどう? と思って共有したくなることがあっても、「今はそういうのは、こういう観点からダメなんだって」と教えてもらうことがあります。
まあ端的に言ってしちめんどくさいわけですが、世の中の変化とともに以前はトライしなかった工夫も始めています。
10年前に、こんなことがありました。
職場の人にわたしが虫の写真を撮っている話をしたら、「いまはジャポニカ学習帳の表紙にもクレームが来るんだって。虫のアップが気持ち悪いんだって」と教えてもらいました。
以後、このブログで虫の写真をアップするときに気をつけるようになりました。
といってもブログに載せるのをやめるのではなく、気持ち悪いものに感じない話の流れにする。そういう工夫をしてきました。
今年の夏は、真鶴岬で絶対に写真や動画ではアップできない景色を見ました。
大量のフナムシを見ました。
近くで見ないとゴキブリと見分けがつかないフナムシです。
ボディの形が船の形(先頭と尻尾が少し細い)をして、うっすら節があるだけで、動きも触覚もおおむねゴキブリです。
フナムシは甲殻類でゴキブリは昆虫なのですが、フナムシは海のゴキブリと言われるくらい、そのゴキっぷりがすごいのです。
上の絵は、大量のゴキブリを避けながら(厳密には避けろとこちらから合図を出しながら)歩いたときの思い出です。この経験の映像記憶は凄まじいもので、写真に撮るには対象の動きが速すぎるし、動画に撮ったら撮ったで見るのが怖いレベル。
思い出すだけで、いやあああぁぁぁぁぁっ、ってなる。
だけど、すごく楽しかったんですよね。生きてる! って感じがして。
この気持ち悪さに負けないぞ! と自分を奮い立たせて先頭を歩きました。
わたしはあの日、ほぼゴキブリにしか見えない生き物と戯れて、生き生きしていました。気持ち悪さと楽しさが同居するときって、あるんです。
しちめんどくさい世の中で経験したことを伝える工夫を、これからも諦めずにいたいです。