今日のCNN.co.jpの記事にオリンピック選手のラマダンに関する話題があり、そのなかに「世論調査機関の統計によれば、イスラム教徒は世界の人口の約23%を占める」とありました。世界の1/4近く、です。
インドやスリランカでムスリムさんたちと挨拶程度の会話をすることはあっても、なかなか深く接することができなかったので、ムスリムが半数以上を占めるコタキナバル(ボルネオ島・国はマレーシア)へ研究に出かけてきました。
イスラーム社会では、女性が頭髪を含めて首元まで隠します。イスラーム=男尊女卑、というイメージを持つ人が多いのですが、ベースは「性弱説」。この、「とてもやさしい大前提」があまり知られていません。「女性が肌や魅力的な部分を露出すると、野郎たちはガマンならなくなっちゃうから、隠しておくのがやさしさってものだろ。そこんとこ、頼むよ」という考え方です。
そして、そこんとこを頼まれたムスリム女子のファッションアイテムとして欠かせないのが
- トゥドゥン(tudung):言い方のひとつ。
- ヒジャブ(hijab):こうとも言う。現地発音では「ヒィジャッ」。
です。
売り場は迫力満点のサージェント・ペパー状態。
首から上のマネキンの需要が、世界の1/4のマーケットでこんなにある。
こういう微妙なニュアンスの違いでレイアウトを組まれると、釘付け。おなじボディなのに、蛍ちゃん(中嶋朋子)的美人、樋口可南子的美人、山口百恵的美人に細分化する。流し目すぎずアルカイックすぎず、の「菩薩アイ」。昔、ノエビア化粧品のCMにこんなのがあったな。
オフィスビルで働くOLさんたち。「写真撮ってもいいですか?」と聞いたら
「もちろんよーっ!」と。女子同士だと節度がゆるんで、コミュニケーションもいい感じ。
和洋折衷のような合わせ技的に、首から下は洋服のスタイルも多い。
ゆるっとお買い物。半袖で、ひざ下は開放。暑いもんね。「あせもを作ってお祈りに集中できず信仰心が弱るくらいなら、暑さをしのぐアレンジをするのも多少はよかろう」と、きっとアッラーもお許しになる。慈悲深いお方ゆえ。
定食屋でバイトをしながら昼のインドドラマに夢中になる少女たち。
でもやっぱり印象に残るのは、無地と柄物のバランスや、トゥドゥンの仕様やアクセサリーのアレンジを含めた全身コーディネート。トゥドゥン自体にキラキラがついていたり、顎下を留めるブローチがキラリとしていたり、全身無地なのに頭だけ柄で決めていたり。
アクティブなスタイルにも目を奪われました。
ほかにも・・・
前から見ても美人だったけど、後ろ姿がよかった。マレーシア航空の女性。
イエス、コカコーラ。
通販雑誌は
街では、とんでもない美人に釘付けになってしまった。
自分の土壌スタイルでファッションを積極的に楽しんでいる女性は、どこでもキラキラしているものですね。
見えない魅力は隠せない。肌や髪を出す出さないではなく、節度という心意気。素敵です。