清浄光寺(しょうじょうこうじ)というのが正式名称なのだけど、一遍=遊行、というわけで遊行寺の名前で馴染まれているお寺。5年前に立ち寄ったことがあるのだけど、その頃は一遍上人についてあまり知らなかったこともあり、雰囲気のいいお寺だな、くらいの記憶しかない。
あらためて行ってみたら、「歩いてよし、座ってよし」なスポットでした。
その日は、散った桜が雨水を含んで、しっとりとした絨毯のようになっていました。
大イチョウ
一遍上人像。
その日は宝物館で「仏画と聖典」という展示をやっていて、口から仏像を出す空也さんの像が。
歩きまくり念仏系の歴代上人を集めました、という構成。こういうくくりは、楽しい。
そのなかに遊行三十五代法爾上人が描いたおもしろい白骨図と和歌がありました。
「南無阿弥陀仏」の字の形を崩してかわいらしい骸骨が描かれているもの。
添えられた歌は
人間の 終わりを見れば 白骨の
肉をはなるる 南無阿弥陀仏
そのまんまやんけー! と突っ込みたくなる気持ちを越える、素朴な愉快さ。
1563年〜1640年までを生きた、沢庵宗彭とほぼ同世代の人なのだけど、小粋なギャグセンス。
昔から、おもしろい人はいたんですね。時代を超えて、楽しく飲めそうな人。
手務所のかたも、宝物館のかたも、なにげなくほっこりと迎えてくれます。
展示がけっこういいのに、ぜんぜんPRしない草食さ。
「家族で遊行・一遍上人」の総本山。家族でプチ散策するのにぴったりのスポットです。