うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

立位前後開脚で額を膝につけるポーズと、縫工筋(ほうこうきん)

額を膝につけるポーズ
このポーズはとても奥が深く、どうにも語りつくせないものがあり、ずーーーっと後回しにしていたのですが、インド修行でひとつ気づかせてもらったことがあって、その後2ヶ月間あらためて咀嚼しなおしてみました。
ポーズのやり方の説明は、背中を「伸ばす型」と「丸める型」でアプローチ先が若干違うので、今日は両者に共通する話をもうひとつ突っ込んだ形で書いてみようと思います。

両者とも、アーサナの最中に腰の高さを左右平坦にするためには、本当にたくさんの「こと」が働きます。これはもう人それぞれ千差万別で、ひとくくりには説明のしようがないです。脚の置き方、脚の細かな筋肉、「足」のなかの筋肉、股関節、丹田、拇指球、これらでもほんの一部で、これらがその人の数だけ「掛け算」で変わってきます。身体の特徴だけでなく、それに重ねてふだんの片足重心などで、個性のバリエーションがすごい。すごすぎる。多すぎる。
どのアーサナもそうといえばそうなのですが、「状況が一概にくくれないっぷり」では、このアーサナは文章で説明しようと思うと複雑度がかなり高いです。

そんな複雑な事情がよく出るアーサナではあるのですが、ひとつだけキーを見つけました。
それが、縫工筋(ほうこうきん)です。インスピレーションをくれたのは、リシケシでお世話になった Mr.Kamal の人差し指での「示唆」。そこで行なったのはいわゆるアシュタンガのパルシュヴォッタナアサナ(パールシュヴォッターナ・アーサナ)なのですが、
↓これね


このアーサナ中に、特に「こうだよ」的な指導(アジャスト)ではなく、「ここに走っている筋を意識するんだ」という意味合いで、「人差し指のなぞり」で示唆されたんです。そのとき、「おっと。このライン、これまでずっと"おでこを膝につけるポーズ(立位)"をしながら気になっていた流れだ」と。
↓この、右のオレンジのライン。


以後2ヶ月、その示唆ついて、自分なりに研究をしてみました。
今日は細かいですよぉ。
そして、細かい話に入る前に、前提と背景説明。



まず、うちこが道場で行なうのは、上の写真のような「背中を丸める」形。前足の膝を伸ばすことよりも、まずは「膝が曲がっていてもおでこが膝につくこと」を優先します。そういう意味では、うちこはまだ丸め方が足りません。うさぎのポーズと同じことが、立位ではおそろしく難しいこの奥深さが、ヨガの魅力でもあります。
膝を曲げている場合は、腰の高さの平坦さについては強く言及しません。物理的に、そこを追求する行為は「攻略への執着」を生み出しかねないパターンに陥るためです。


今日書くことは、「膝が伸びた状態での話」です。



膝が伸びた状態でも、腰の高さがそろう人(赤線)は、これがなかなかどうして、とても少ない。だいたい、何度かの角度で緑色の線の角度に傾きます。外足重心であることや、拇指球で捕まえていないとか、理由はいろいろあるのですが、その話は以前の「T字バランスの回」や「木のポーズの回」にまかせることにします。


で、今日はもうひとつ、あまり有名でも人気者でもない「縫工筋(ほうこうきん)」さんの存在を知っておくといいと思うんだわ、という話。
この、「縫工筋(ほうこうきん)」さんですが、調べてみると


 ・腿を上げたり、ひざを伸ばしたりする時に働く
 ・ヒトのなかで最も長い筋


なんですって。うちこは、読むこともできませんでしたの。なんか手芸っぽぉーい♪ って思ったくらいで。
で、もう一度写真でおさらい。

足の付け根の外側から、膝の内側に向かって斜めに走ってます。
で、あたりまえなんですけども


 ここが使える→膝が伸びる→腰の高さが揃う方向へ、はじめて向かえる


という流れになるのですが、どうしてもみんな


 お尻を持ち上げようとしてみたり(セクスィー)
 腰をねじってみたり(トイレ行きたいの?)
 拇指球だけで頑張ってみようとしたり(こめかみ、リキんでるよっ!)
 太ももの外側の大味な筋肉でねじ伏せようとしてみたり(それは、ヨガじゃない)


といった具合で、しどろもどろになっちゃって、
場合によっては、


中心であるはずの腕の位置が



その「モジモジ」によってこんなふうになってしまったりします。
(この腕の話は腕の話だけでかなり書ける奥行きなのですが、今回はスルー)


かなり奥が深い。毎回なんか感じが違うし、"細かすぎてわからないこと"がとことん話せるヨガ仲間のゆきんこと話しても、尽きない。(この写真はゆきんこが一緒に研究しながら撮ってくれました)
そんでもって、わざと傾いた例をやろうと思っても、これまた難しい怪!。手の位置はわざとズレた見本ポーズができましたが、腰の高さについては何回撮っても、「写真を並べても、わからないレベル」と言われてあきらめました。
でも、傾きが視認できる人の比率はとっても多い。前後の脚が一直線上に置かれたらねじれるので、当然傾くのですが、そうでない「一歩踏み出した状態に忠実な置きかた」でも、なかなかどうして。


そこで思ったのですが、「膝が伸びた状態での話」においては、この「縫工筋(ほうこうきん)」さんの堅実な働きと、丹田&拇指球連動をしっかり感じられる前脚というのが、おおきなベースになっているなぁと。逆に言うと、ここがしっかりハマると、ずらせないパズル。ヒトのなかで最も長い筋、ってだけのことがある。一筋縄ではいかない。

ヨガの内観言語の力には、これからもまだまだ感動する日々が続きそう。動く瞑想も、よいものです。



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