「反り腰」と「尾骨が出る」はまったく同じことではないのですが、癖としては似ているので今日は尻尾の観点で書きます。
少し前に書いた以下の内容で「反り腰で姿勢をよく見せようとする」の箇所で用いた写真に尻尾を書いてみましたよ。
ワンワン!
わかりますか。この感じ。猫や狸でよりは犬や狐のほうが、イメージとしては近いです。
猫ってのは、やつらは猫背のプロなので猫背のまま尻尾を立てるということができてしまう。現実的にわれわれがいちばん近いのは猿。
猿ってのは、こわいですよ。もう興奮すると、こんなですから。
(この猿はインドの教室のマジックミラーに興奮していた猿です)
驚きや怒りだけでなく、楽しいのも興奮です。わーい、という興奮もある。どんどん先に行きたくなる。次はなになになになに!?!? と。
ずっと、興奮する対象を探してる…。
「次はなに」というのはちょっぴりやっかいな心理状態で、ネガティブな側面としては従属して安心したいマインドと紐づいてしまうこともあります。わたしは自分の過去をふりかえって、そう思っています。次はなにをすれば認められるでしょうかっ! というマインド。
自分に対して「これでオッケー」というフラグを立てられないことは、いまでも日常でたくさんあります。仕事がすごく進んだり雲がさーっと晴れたような成果を感じる日もあれば、停滞して調整に手こずって「今日、なにも前に進められていない…」と感じる日もある。思い返してみれば受験勉強もそうでした。
自分に対する「オッケー」が不足したときに、なにか尻尾を振れる案件を探してしまう。モンキー・マインドと尾骨が出る感じの連動にハッとすることがあります。
こういうことは、仕事を通じて社会の中で自分の居場所をつくるのに一生懸命だった30代半ばくらいまでは、まったく冷静に振り返って見ることができませんでした。あの頃ヘンに悟ったような顔をして尾骨を引っ込めずにやってきてよかったとも思っています。従属マインドが許されるうちに、いろいろな仕事を学ばせてもらえたから。自分自身に素直(すなお)であることよりも「素直に見える」ことのほうが大切な時期であったと思うから。
なので尾骨についてはケガにつながりそうな動きでない限り、他人にもいきなりは指摘しないようにしています。背骨の根っこはエネルギーの出どころでもあるし、日本社会では尻尾をわかりやすく振って見せることができる柔軟さが組織全体のシャーンティにつながったりする。まだまだそういうケースが多いのが社会の現状と見ています。
気候やコミュニケーション文化が身体のクセに影響するというのは多々あることと思っているので、尻尾については練習以外のときに、たとえば信号待ちなどのふとしたときに「あ、いまわたし、尻尾が狐みたいにふわっとすてきにおりてる。いい感じ♪」という瞬間が得られるようになると、それはそれはすてきなヨガの成果と思います。