テレビの「情熱大陸」を見たという友人の激しいすすめにより、読みました。
この本は「退社」のメンタル面が主題なのかなという感じがする。語りかけるように書くのが上手な人なので、2時間くらいでいっきに読んでしまった。
エピローグで自分の傾向に気づき、以下のように綴られています。
なるほど私は、無職の人、あるいは会社員であっても血中無職度の高い人、群れずに一人で立とうとしている人とつながりたがっているのだ。
こういうのってわりと根っこにあるもので、結局いつか顕現してくるものなんだろうな、なんて思いながら読んだ。
健康保険や失業保険など、「会社員量産で安定」の世の中の仕組みを認識していく流れも物語のようで、読みやすい。
以下の感覚はわたしもずっと思っていて、この話の前後はすごくうなずいた。
オレオレ詐欺と、そうじゃない「正当な」商売の差って、いったいどこにあるのか。
(IT自立にて考察 より)
わたしは自分が消費者のときもサービス提供者側の労働背景を想像してげんなりしちゃうことがよくあるのだけど、この本はそういうやりきれなさの吐露がいっぱい。解決しないけど、心持ちは随分軽くなる。
「情熱大陸」を見ていないので友人のようにアツい気持ちになることはなかったけど、明治時代からある日本の大企業を辞める人やその周辺の空気みたいなものが、すごく想像しやすい文章で書かれていました。
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