タイトルがなんとなく気になって読みました。これは、フリーランスも含めて自営業の人におすすめ。
下敷きになっていると思われるものがインド的思考なので、一部を切り取ると、たいへんインド的になります。
- お客さんがその価値を感じるのは、お客さんの頭の中に価値が生まれた瞬間から。(75ページ)
- 質問が適切でないと、頭の使い方も違ってしまう。(100ページ)
- 新しい消費社会は「諸現象は一回しか起きない(すべては個別具体的な一回性の事象である)」という特徴がある。そこで危険なことは、ひとつのアウトプットを何も考えずに真似あるいはそのまま使ってしまうことだ。(154ページ)
なんだかズレてたりスベってたりというのは、チューニングをおろそかにしてしまっているときに起こる。
わたしは「頭ではわかってるんですけどね」などと言われると、「じゃあ書いて」と言ったりするのですが
人に説明することを念頭に言葉に書き起こしたり、それを読みやすくレイアウトしたりすることで、初めて概念化・言語化がなされたと言える。
(87ページ)
「頭ではわかってる」「薄々そう思ってた」というのは、よくわからない。下書きを「そう思ってた」って言い切られても「それ下書きでしょ」ってなる。「これからおしゃれをしようと思ってる」と、おしゃれな下着の状態で言われても「でもそれ下着だよね」とつっこみたくなるような…。
以下は、じょうずな導きかただなぁと思いました。
「どうして私が今、あなたから、この商品を買わなきゃいけないの?」
買い手にこう尋ねられたら何と答えるだろうか。
(101ページ)
これは、シンプルな問いですね。
以下も、わたしが普段よく思うことでした。
よく誤解されるので言っておくが、絆作りとは囲い込みをすることではない。なぜなら絆のある顧客は囲い込まなくてもいいからだ。
その理由はコミットメントの定義からわかる。
絆のある関係とは、「互いに進んで相手と一緒にいたいと思う関係」だ。そういう相手を囲い込む必要はないからである。
(215ページ)
囲い込みって、そもそもリスキーだと思うんです。囲い込むつもりが囲われていることになっていた、みたいな。似たようなことを、まえに【「おもねる」という行為の代償について友人と話した】というトピックで書きました。
この本ではこのあと「絆を生む要素」として「顧客との適度な接触頻度」「顧客にとって有益な情報の発信」「顧客への適切な自己開示」「顧客に情緒的な体験を与えられた機会」の4つを掘り下げています。
サービスの骨子を整理するのにすごく参考になる考えかたがたくさん載っていました。
▼紙の本
▼Kindle版