読んでみたら「たべみる」というサービスの告知本のような感じで、「その先」のことは書いていないというか「その先」の足がかりにするための本のようです。
こういうタイトルとの乖離にもうわたしは慣れっこになっていますが、「こういう本が出る」ということ自体に、生ログの生かしかたのむずかしさを感じました。以下は、ほかのジャンルの仕事をしていてもデータから同じようなことがうかがい知れるので、そうでしょうそうでしょう、と思います。
クックパッドの検索データにもっと価値があると思った理由はもうひとつある。それはクックパッドの検索ワードは「明確な文脈」のもとに集まるデータだ、ということだ。
(27ページ)
検索データを眺めていて、ひとつ気になっていることがある。
それは、年齢が若くなればなるほど旬の素材の検索が少なくなっていることだ。
(215ページ)
まえに「アクセスが伸びすぎないようにしている」ということを書いたことがあるのですが、データの文脈の色合いが読めれば読めるほど、アウトプットに生かすにあたっては抑制や倫理観・道徳観のようなものが求められる。なぜなら、そこにはネガティブなものも多いから。
この本を読みながら、GMS(大手スーパー)の棚割の決定権を古い考えの人々が手放さない以上は、クックパッドのこのデータがイキイキと世に生きるのは難しいかも、という思いが頭をよぎりました。もっとゲーム感覚で料理をするようなものに生きるデータだと思うので。
ちなみにわたしは検索窓に「余った」という複合ワードでGoogle検索をして出てきたクックパッドのレシピをよく利用しています。
「余った 玉ねぎ」とか「余った 大根」とか「余った 油揚げ」とか。クックパッド、ありがたいよねぇ。