4月のはじめにTBSラジオの「週末お悩み解消系ラジオ ジェーン・スー 相談は踊る」というのを聴いて、なんだこの天才？！ と、そのトーク力・構成力・抑制力・おもしろさにノックダウン。著作を買って読んでみました。そういえば本屋で気になってたのだ。これ書いた人だったのかー、と思いました。はじめてラジオで声を聴いた日に、出演後の番組にも登場して「小麦粉はメディアだ」という持論を展開されていて、これがおもしろかった。
著者さんは日本人なので日本語です。この世からみっともない女を減らすことに大きく貢献するであろう、崇高なバイブルのような本です。人を試すようなことをする人間の姑息さ、弱さが綴られています。スーさんは「ゲスい」という表現をされるのですが、これがいちいち刺さる。読後感が気持ちいい。未婚のプロという生き物がいとおしくなります。
30代で未婚のかたは、この著者さんのフレーズとしてたびたび登場する「○○と思えるようになるまでに、私たち未婚のプロはかなりの時間を要しました。」ということのすべてが教訓になることでありましょう。
恋愛本かと思いきや、エゴの分解とブーメランの嵐。仕事にも通じる内容です。
そして読んでいて面白かったのは「男性の視点に自分がなっていることもある」ということ。ここでは女性の振る舞いが書かれているのですが、男性にもそういう人、いたなぁ。なんて過去のさまざまなことを振り返ってみたり。いまどきの男性のなかには、この本にでてくる「プロポーズされない女」みたいなことをしている人、けっこういるんじゃないかな。というわけで、男性こそ必見かも。女性がここまで気づいているのに、男性がやったら致命的？！
こういう脅しのような発言も、スーさんにいわせると「ゲスい算段」になってしまいます。この本は爆笑の嵐にも関わらず、どういうわけか読んでいるうちに背筋が伸びるんです。
相変わらず付箋貼りまくりで読んでいたら、「ちょっと！ それ、付箋つけたまま貸して！」という未婚2名に声をかけられた。
わたしもいい大人なので、過去に「ああ、わたしもやってた」と思うことは多々ありつつ、いまとなっては3つしか当てはまっていないのだけど、その数少ない当てはまり事項が
- 友達から「とても結婚願望があるように見えない」と言われる。あなたが。
- なにがあっても、もう彼にはなにも言わないで、悟りを開いたように微笑んでいるだけ。
- そろそろ「初めて経験すること」が、仏門に入ることぐらいになってきた。
事実を超えて、もう思想に逃げ場がない（笑）。
この本を読んでいると反省することばかりなのでしょうが、でも反省する必要性に疑問を抱く客観性を持ち合わせているならいるで、「あなたは未婚のプロですね」と言われる。とにかく逃げ場がない。
金言格言のオンパレードの中、「ああ！ わたしは、そうだったんだ」と思ったのが、これ。
私たち未婚のプロは、とにかく仕事以外で苦汁をなめたくないんですよ。
（結婚している友人が幸せそうに見えない。 より）
わかる〜。これすごくわかるの〜。
愛の力で人の気持ちがどうにかなると思うなかれ。
それは愛ではなく、エゴだ！
（にもかかわらず、「私となら考えを変えてくれるかも」などと期待している。 の小見出し）
そんなこと、思っちゃったこと、あったなぁ（遠い目）。
この本を読んでいると、「スーさん、かわいい」と思ったり、スーさんの行なったことに対する男性側のことを自分がしていたりして、ダブルパンチを食らう。
たとえば、これ。
私も、いつも日能研（指定カバンのある塾）帰りの子供のようなダサカバンを持っていた彼に、洒落たカバンをプレゼントしようとしたら、「内側に細かいポケットが多いのがいいな」と言われ、全力でやる気を失ったことがあります。そんな秘密基地みたいなカバン、買うか！
（彼のセンスをけなしたことは、一度や二度ではない。 より）
まえに友達に「寺門ジモンを見ていると、うちこちゃんを思い出すよ。自分基準がすごく明確だよね」と言われたことがある。致命的なことを明るくまるで褒める口調で客観的に指摘され、ぐうの音も出ない。エスコートされ能力が著しく低い。
そしてどこでもマーケット・リサーチをし、近い価値観の女友達と過ごすのが結局いちばん楽しいから、ダメなのだ。ふたつ返事でついてくるアホな未婚の女友達がいるのがいけないのだ。わたしだけのせいじゃない。
この本は、最後のまとめもすばらしい。
男性への「思いやりのなさ」に気づいて、少し胸がシクシクしましたよ。（←ほんとにシクシクしろよ！）
女性のみならず、男性にもおすすめです。主語がどっちでもいいのがけっこうあるよぉ。
♪ラジオもめちゃくちゃおもしろい。このページの「視聴する」で聴けるので、ぜひ聴いてみて！
（直近4月19日の電話相談の対応、すごくてドキドキするよぉ）
