うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

グッド・バイ 太宰治 著


そのギャグセンスに打ちのめされまして「太宰 ユーモア」の文字列でひっかかる短編から読んでおります。
人物そのものに肉薄していないので、太宰ファンの方には「こんな入り方ですみません」という感じなのですが、このグッド・バイは最後まで読んだら(未完)とあり、遺作でした。
どうオチをつけるか微妙な作品なので未完でもじゅうぶんといいますか、なんというか



 久しぶりに小説を読んで声を出して笑ってしまった!



というおもしろさ。電車で読めない小説です。
太宰派のみなさまにおかれましては、「うちこちゃん、漱石に対してはあんなに真面目に読んでいくのに、なんなのよ!」という次第かもしれませんが、どうかお許しいただきたい所存。

この小説は、田島さんという人が主人公なんですけどね、心の中のつぶやき(要するにツッコミ)が、いまどきの人みたいなんです。
以下、つぶやき抜粋。

言うことが、いちいちゲスである。

って、ジェーン・スーか!


わあ! 何というゲスな駄じゃれ。全く、田島は気が狂いそう。

って、ジェーン・スーか! アゲイン。



「ゲス」という言葉をカタカナをこんなに昔からこんなノリで太宰治さんという人が使っていたなんて、知らなかった。このブログを読んでいる全ての人が爆笑してしまうであろう作品。わたしの気が狂いそうですよまったく。
この世はマーヤーであると悟ってしまった人の意志がユーモアへ振り切ると、ここまでいくんだなぁ。と思うとあまり笑ってもいられない作品なのですが、やっぱりおかしい。おかしすぎる!



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太宰治 グッド・バイ - 青空文庫


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