エゴとユーモアの関係を教えてくれる、聖人のイメージを根底からくつがえすチベット僧(参考:Wikipedia)。
絶版本ばかりでどれも高値なので、図書館で借りることができた2冊の本をとことん読んみました。指導スタイルは賛否両論な人だったようだけど、苦しい側面を見ることを言語化するとなったとき、ここまでのアプローチがあるのかと、天井がなくなる。大乗のようで小乗のようで大乗……と、ブッダのダンマパダを読んでいるときのようなループが起こる。
弟子のなかではケン・ウィルバー、ペマ・チュードゥンの本が手に入るけれども、まだ読んだことがない。伝記にも登場する修行仲間のアコン・トゥルクや、弟子であったというコンピュータ科学者ジョセフ・ゴーグエンの本はないみたい。
チョギャム・トゥルンパさんの本をわたしに教えてくれたヨガ先生と今年の夏に飲んだとき、マツコ・デラックスの話になって、「あの人の夜の番組をたまに見るのだけど、チョギャム・トゥルンパ・スタイルだわぁ」「ナンシー関以来だね」なんて話をしたっけ。こういう感じがないと、なんというか、人生つまらないんですよね。ヨガの世界はヘルシー・ハラスメントや清浄ハラスメントが多いから。
チョギャム師の教えはとことんきびしいものだけど、ユーモアについても教えてくれます。涼しい確度でツッコめる反射神経は、アーサナの瞬間瞬間でも重要だもんね。強引に要約すると、「思考を動かなくすることと思考停止(よかった探し的な肯定)は違うぞボケ!」ということだと解釈しており、わたしはこういう先生がいてくれないとダメになってしまう。
▼過去ログリンク
●タントラ叡智の曙光 ― タントラ仏教の哲学と実践 H・V・ギュンター&C・トゥルンパ 著 宮坂宥洪 訳
●チョギャム・トゥルンパ 講演でのQ&A(「タントラへの道」より)
●エゴの分解 / 物質主義の三大王(「タントラへの道」序章より)
●五つの基本的な性質(エネルギー)(「タントラへの道」より)
●ブッダのマネジメント(「タントラへの道」より)
●龍樹の非哲学(「タントラへの道」より)
●コミュニケーションとヴィパッサナー(「タントラへの道」より)
●自己欺瞞(「タントラへの道」より)
●「精神性」への指摘(「タントラへの道」より)
●五つのスカンダ「五蘊」(「タントラへの道」より)