盛岡はなかなかおもしろい町なのですが、今日は盛岡観光の最強スポットをご紹介します。
曹洞宗のお寺「報恩寺」のすごさは、確実にわたしのなかでベスト5に入る。
このお寺のあるあたりは寺町で、たくさんのお寺が集合しているのですが、少し奥まったところにあります。
歩みを進めるたびに確信は増していくのですが、まだその「性質」まではつかめない。
左右の阿吽もばっちり、なのですが。このへんで少し、ニオイます。
しっかりいまもお勤めをされていることがわかる、本堂前の廊下。
受付のお坊さんが、とてもすてきです。
拝観料300円を払ったあと、ふと見上げると、そこには絵心経が。
「わわ。この絵心経、おもしろいですね☆」
話は弾みます。
「これはね、般若心経がダジャレの絵みたいなので描かれていてね、まえにうちこも見たことがあるんだぁ」
「へぇ〜。おもしろいねぇ(旅のマドンナ・まさこさん)」
・・・・・・・
「てかさ、このギャグセンスすごいかも。まえに見たのより、すごい」
「うわ、このへんたいへんなことに(後半を見ながらツッコムまさこさん)」
お坊さんも、超よい返し。
「だれが描いたんですか?」
「この裏のあたりなんだけどね、昔、二戸郡田山村っていわれていたところに・・・・・」
しっかり説明してくださる。
「あ、最後になんとか兵衛って名前がありますね」
「そんなにおもしろいですか」
「おもしろいですよぉ〜」
「あ、売り物もあるんですよこれ」
「え!(早く言ってよ・・・)買います」
「あ、買われますか?」
「はい、買います」
「500円ですが」
「(だからぁ)買います」
うちこさん、お買い上げですね。あんなに写真とったあとに……と隣でまさこさんが笑っていました。
先日書いた古本屋「キリン書房」でもなかなかよい買い物ができたのだけど、今回の盛岡旅行は買い物運に恵まれていた。
なんてのは、まだほんのはじまり。
このお寺には「五百羅漢」という、羅漢サージェントペパーな空間がある。わたしは、そこを目指していました。
のだけどね。
そこへ行くまでの廊下の展示で、すでに
ミロのヴィーナスばりの……、このかたは、ふつうのヨミでは救世観音(久世観音)でしょうか。
女に触れたい、女を……とモンモンとしてしまう、毎度おさわがせします的なマインドが発現してしまった際に、「わたしを抱くがよい」と変化までしてくださるあのお方。
ふだんのわたしであれば、ここで軽く5分は妄想をするところなのですが、その隣にいる人たちが、アピールしてくるんですよ。
う・ふ・ふ。(新宿のかほり)
ピヨピヨとしたこの、脇が閉まって指先がルンルンな、この感じ。
これは、なにかの対決なのでしょうか。
この二段階右折的な妄想をまさこさんにどう伝えよう……と思いつつ、
盛岡は、寒かったんです。雪が降っていた。
このまま妄想を続けていると、足先が凍ってしまう。
歩みを進めて、ついた。
みっしり。ぎっちり。
「あれは、雨の慕情ですかね」と、まさこさんもツッコミを手伝ってくださる。
一人じゃ、無理です。さすがに500ツッコミは、無理。
「ま”ぁそのぉ〜」と、田中角栄のモノマネまで出てくる。
まさこさんは「金八」を想起したようで、ここはツッコミの方向性が割れた。
まあ、そういうこともある。
「わたしゃも少し、背が欲しい」と思うことはしょっちゅうなのだけど、このときはしみじみ思った。
上のボケも全部見たいよぅ。
この空間の阿羅漢さんの8割が大滝秀治さんに似ているなか・・・
わ! まさこさん、
ムッシュだ!
ほんとだ!
ティモテ ティモテ〜♪ とふたりで歌いながら、
「ていうかこっちがメインなんですよね(まさこ)」
「ああ、まだ手を合わせていなかった(うちこ)」と中央段で、手を合わせる。
ツッコむのをやめると、とたんに冷えが襲ってくる。
ちなみにここ、
メインスペースの裏にまで、びっしりいらっしゃる。
ものすごい寺でした。
受付へ戻り、本堂ものぞけるのかな? と廊下を歩いていたら、ちょうど読経の時間でした。
一緒にどうですか? と声をかけていただいたので、ご一緒しました。
「(翌日の)マントラ漫談まえに、いい予行演習になったね」と話していたのですが、まさこさんは
「きのうのあの五体投地的な動きで、筋肉痛のような痛みが……」とおっしゃってました。
独特のスクワットだからなぁ。
その後、正直に申し上げまして字幕が欲しいくらいのネイティブの檀家さんにひどく気に入られまして「ごの学生さん、東京(とうぎょお)がらぎたんだよ。若い(わがい)のに ■#×▼〜?!#&・・・(聞き取れず)」みたいなことで、お菓子や果物をたくさんいただきました。
リュックはパンパンなんだけどな。学生じゃないんだけどな。
「うちこさん、いまの、聞き取れた?(まさこ)」
「う〜ん、7割。ドラマのおしんに出てくる人みたいな話し方に聞こえた」
「そうだろうね」
盛岡にこんなにさりげなく、こんなに濃いおもしろスポットがあるなんて。
こんどは双眼鏡をもっていく!