うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

人間の永遠の探求―パラマハンサ・ヨガナンダ講話集

以前「あるヨギの自叙伝」の感想を書きましたが、これは同じ「パラマハンサ・ヨガナンダ」の講話集です。順番的には、私と同じ順番で読んだほうが良いです。これも、同じくヨガの先輩から借りました。
「あるヨギの自叙伝」が自伝だったのに対し、これは彼がアメリカに渡ってからの活動の中の講話集で、語り口調です「あるヨギの自叙伝」では、小説のような各エピソードから学ぶことが多い内容でしたが、この本はより直球で「教え」として説かれた内容なので、宗教的な本に慣れていない人にはとっつきにくい部分があるかもしれませんが、食物や断食についての教えは実用的な内容も含んでいます。
この本全体を通して共通しているのは、ヒンドゥー教キリスト教の共通点について多く述べていることです。日本には仏教とヒンドゥー教の共通点を書いた本がたくさんあるので、そのような本をこれまで何冊か読んでいました。キリスト教についてはほとんど読んでいなかったのですが、いろいろな宗教の共通した教えを学ぶのに非常に有効な本でもあります。

今回も、記録しておきたいことがたくさんありました。引用して紹介します。

<34ページ 「頭の中から『できない』という観念を捨てること」より>
意志の力を強くしようと思ったら、よい仲間と付き合いなさい。もし、あなたがりっぱな数学者になろうと思っていても、ふだんいっしょにいる仲間がみんな数学ぎらいだったら、きっと意欲を失ってしまうでしょう。しかし、りっぱな数学者たちと付き合っていれば、あなたは、「ほかの人にできるなら自分にもできる」と思って意志が強められるでしょう。

これは、今ヨガを行う環境でとても仲間に恵まれていると思うので、本当にそうだなぁと。

<67ページ 「見えない敵」より>
あなたはふだん、ばい菌たちが宴会を開いているその食べ物を丸ごと呑み込んでいるのです。ばい菌は飲み水の中にもいます。人はみな、毎日こうして何百万というばい菌を呑み込んでいると思えば、真の菜食主義者などいないことになります!

この部分は「新しい!」と思って読みました。

<82ページ 「体内の毒素を排出する」より>
からだの四分の三は水分でできています。ですから、からだにとっては水分のほうが食物よりも重要です(実際、飢えで死ぬよりも、のどの渇きで死ぬほうが苦痛です)。からだには多量の水分を補給する必要があります。甘味を加えない果物ジュースも有効です。ことに、水のカルシウム濃度が動脈硬化の危険性を生じるほど高い地方では、水の代わりに果汁や、すいか、メロンのような水分の多い果物を摂るべきです。

とても実用的な内容です。

<204ページ 「われわれはガラスの家に住んでいる」より>
たいていの人は、からだが十分に働いていないだけでなく、心も十分に活動していません。あまりにも多くの時間を考えずに過ごしています。そして、それがリラックスすることだと考えています。しかし、ほんとうにリラックスしているときは、心は静かに活動しています。例えば、神のことや、静かな美しい風景のことや、何か楽しかったことなどを思い出しています。静かな、そして積極的な心の活動は活力を増進しますが、多くの人は、創造的努力とは緊張することだ、という間違った思い込みで、創造的思考をするのに気を張り詰めて神経質になっています。

ほんと、そうね。

<295ページ 「キリストとクリシュナ」より>
キリストが十字架の上で、甘んじて苦痛に耐えながら「父よ、彼らをお赦しください。彼らは、自分が何をしているか知らないのです」と言ったとき、彼は最も偉大な奇跡を行ったといえます。

この、キリストの言葉がこの講話集の中に多く登場します。自分でも最近「赦すこと」にチャレンジしています。今までそれができずに、大切な学びの機会や人の縁を失っていたことがある気がしています。

<321ページ 「心の安定(平常心)は霊的向上の鍵」より>
感覚の奴隷になっている人に対しては、本人が自分から真剣に変わりたいという気を起こすまでは、はたから助けようとしてもほとんどむだです。

いろいろ感じます。

<382ページ 「記憶力増進に有効な食物」より>
食物には、脳に栄養を与える食物や、筋肉、神経、各臓器などそれぞれの器官の成長維持に有効な食物があります。記憶力を増進するためには、脳の力を増す食物を摂ることが必要です。それには蛋白質が有効です。ヨギの経験によれば、粉にひいたペカン(西洋くるみ)またはアーモンドに、少量のライムジュースかオレンジジュースを混ぜたものを就寝前に摂ると、脳の強化によいとされています。また、ミルクやチーズも脳に有効な食物です。
ヨギはまた、頭や神経が疲れたときには、一、二個分のライムジュースをコップ一杯の水に混ぜて飲み、頭に冷水をかけ、さらに、こめかみ、眉間、鼻孔、耳を冷水で冷やすことを勧めています。そうすると、神経が速やかに沈静し、心が落ち着いて記憶力が回復します。
脂肪分を摂り過ぎると、脳の表面の血管内に脂肪が沈殿して付着する恐れがあるので、あまり油っこいものは食べ過ぎないように気をつけるべきです。ヒンズー教徒の間では、豚肉や牛肉は多量の尿酸を含んでいるため人間の健康には有害とされており、また豚や牛は記憶力が鈍く、その肉を食べることはその肉体的、精神的特徴まで引き継ぐことになる、とも言われています。

これも実用的な内容です。


ほかにもたくさん、感じたことがありました。この二冊の本を読んでいる間、日常生活でいろいろな変化があったのですが、自分について「本当に大切と思って追求できることはなにか」を考える時間を多く持った気がします。
そして反省をしたり、意志を確信したり、とても有益な読書時間だったと思います。こんな感覚は、初めて。

▼おまけ
あるヨギの自叙伝 パラマハンサ・ヨガナンダ
パラマハンサ・ヨガナンダとの対話 スワミ・クリヤナンダ 編
聖なる科学―真理の科学的解説(スワミ・スリ・ユクテスワ・ギリ)
サージェント・ペパーのジャケットに写るヨガ聖者4人の話