東京見物に来た人がこの場所の写真を Instagram で見つけ、行ってみたいと言うのでお弁当を持って出かけてきました。
中央線でこんなに遠くまで行ったのは、日原鍾乳洞への2020年末の参拝以来です。
河辺駅(←かべ、と読みます)で降りて、そこからゆっくり45分くらい歩きました。
茅葺き屋根の山門と金剛力士像を拝んで、中へ
なんだか昔話の世界に来たみたい。
山門が茅葺き屋根です。
この左右の金剛力士像は定快という仏師とその一門による製作だそうです。
手首と肘関節の角度に独特の表現力があり、頚椎の最下部左右の筋肉の盛り上がりにも特徴があります。
こちらは、樹齢900年を超える大杉。ただならぬ佇まいでした。
お大師さまと薬師如来とボケ封じスポット
メインの場所へ行く前から「ぼけ封じ」の文字に引き寄せられてしまい、足がそちらへ勝手に直行。
・・・と思いながら横をチラとみたら一瞬で気が変わり、完全にそっちへ引き寄せられてしまいました。
文字列に反応してしまう。
夢の共演的な組み合わせ。
もちろん、ぼけ封じ祈願もしてまいりました。
本堂の横からつつじ園へ
本堂の横からつつじ園のほうへ歩きました。
本堂も茅葺き屋根です。苔 on the 茅葺の具合が最高です。
裏道から見た本堂。夢のような美しさです。
招福の鐘。上に梵字があります。
手前もつつじ、向こうもつつじ。
夢かと思いましたが現実です。
この景色の中でベンチに座って園のなかを歩く人を眺めます。
後ろを向いたら緑と黄色。ちょっとこの配色で目を休めます。
目がチカチカして頭がオッペケペーになってきました。
塩船平和観音が折り返し地点
一番高い位置に塩船平和観音様がいらっしゃいます。
水の入った瓶を下に向けて、慈悲の功徳の水を無限に与えてくださっています。
一緒にいた人が「あれは、お酒かねぇ」と言っていましたが、ちがうわ!
頭がオッペケペーな人が、ここにもう一人いました。わたしたちきっと地獄に堕ちるわ。でももう今生で夢のようなツツジの景色を一緒に見られたから、じゅうぶん。
日差しが強く、せっかく封じてきたボケの蓋がパッカーンとあきそう。端っこの日陰の道を歩いて護摩堂のほうへ下りました。
下界から醤油を焼いた匂いが漂ってきて、一歩ごとに焼きだんごを食べたい気分が最大化されていきます。下の売店で迷わず注文しました。
護摩堂と不動明王
売店の前には護摩堂があり、スタンディングとシッティングのかっこいいお不動さま二体を拝むことができます。
ここのお不動さまは、これまでに出会ったなかで最高のかっこよさでした。
こちらが護摩堂
右手前に、スタンディングお不動さま
後ろの炎のなびきかたが、美しさを最高に引き立てています。
どこから見ても抜かりない忿怒。特に眉間と口元!
この、こっちの角度から見たときの持ち物の細かさと指先の繊細さ、そしてそれと同じ角度に燃える炎。最高すぎてクラクラします。
シッティング(坐位)のお不動さまは、こちらに鎮座されています。
こちらもまた炎の角度とまぶたの微妙な差異、そして繊細な指。
どうしよう。最高すぎではないですか。
多くの人はこの背景に見とれて見落としがちです。
このお寺は別のお堂に国宝級の像がわんさかあるのですが、わたしはこの護摩堂の前のお不動さまにうっとりしてしまいました。ツツジの華やかさに負けてない怒りのエネルギーに、キューンときちゃう。
この日は春なのに猛暑で、やや熱中症気味になるほど。頭の中と皮膚の相乗効果で大いに盛り上がりました。頭が煮えるって、こういうことね。
▼こちらで拝むことができます