うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

空海 人生の言葉 川辺秀美 編訳


ゲストハウスKokuuで読みました。この本はとてもヨガ的な教えのピックアップで構成されています。
なんだかたまたま日本人としてこの国にいたんじゃないか、と思うくらいのインドっぷり。
不空金剛(アモーガヴァジュラ)の生まれ変わりだって思われるのも、「そりゃそうだ」という気がしてきます。
特選で4つ、引用紹介します。

あまりに近すぎて見えないものは、
あなた自身の心です。
とても微細で、どこにでも存在しているのは、
あなた自身の仏なのです。
仏というものが
不思議で理解しがたいのと同様に、
あなたの心もまた広大で
はかりしれないものなのです。

(秘密曼荼羅十住心論 巻第九)

空海さんは仏性とブラフマーをあわせたようなニュアンスで「遍(あまね)く」という語をよく使っているように思う。



あなたの身体と言葉とを浄めなければ、
心は妄想に引っ張られて、
暗闇を追いかけるばかり。
あなたの目に映る対象や
感覚といった狭い認識で
「仏には慈悲がない」と怨んでばかりでは、
生活の糧となるお金は得られず、
豊かになることができないのです。

(五部陀羅尼問答偈讃宗秘論)

浄化の必要性から五感からの認識という流れになる。仏教とサーンキャのブレンド感がたまりません。



鉛でできた刀はどんなに打っても名刀になることはないですし、泥で作った蛇は龍のように空高く飛ぶこともありません。
私たちは日々の暮らしの中で、石ころを宝石と間違えたり、原石と死んだ鼠の死骸を混同したりして、形や名に眼を奪われて、本質を見間違っていることが多いものです。

(秘蔵宝鑰 巻中)

蛇とロープみたいな語り口。インド人かっ!



「私たちが感じているものは、ただ刹那的な意識でしかない」という人生観にいたらないと、根本的な迷いの世界を滅することはできないのです。

(秘密曼荼羅十住心論 巻第六)

マーヤーとモーハーの話をしているよ。




空海さんの本を読むと、結果的にインド哲学を勉強してるってことになっちゃう。しかもいろいろな学派の。
励まされながら学ぶインド哲学って感じなんだよなぁ。


Kindle版もでてる



空海さん関連書籍はこちらにまとめてあります。