うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ウィニング 勝利の経営 ジャック・ウェルチ 著

以前、この本の一部を抜き出した「伝説の経営者の本に登場するヨガ青年の話」を書いたきり、本編の紹介をしていませんでした。有名な本なんですよね、これ。
わたしは何を読んでもヨガ本になりがちな変換癖があるのですが、この本は意外なところからヨガの話がバズーカ砲のように飛んできて、びっくりしました。というのが以前の紹介。
今日は、それ以外の部分から何箇所か紹介します。

<35ページ ミッションとバリュー / 最後に、一貫性のあること より>
自分の仕事だけやっていたいのに、電子メールで議論しなくてはならないこともある。愛する同僚がミッションやバリューについていけず、彼らに別れを告げなくてはならないつらい場面もある。こういうときには、ミッションやバリューがもっと漠然とした一般的なものだったらよかったのにと思いたくなるだろう。
 だが、それじゃ駄目なんだ。
 時間をかけてやっていこう。エネルギーを使おう。
 ホンモノを作ろう。

こう思い続けられる瞬間とそうでない瞬間があるけれど、「自分の仕事だけやっていたい」というところに陥ったら、いつか機械に取って代わられるかもしれない。

<39ページ 率直さ / ビジネス界の最大の恥を取り払え より>
 競争相手のことなんかどうでもいい。社内でコミュニケーションがとれないことのほうが、よっぽど恐ろしい敵だ!

機械同士は話さないからね。

<44ページ 素直さ それから今へ より>
 率直に話さなければ、面目を失うことはないし、ビジネスもなんとかやっていける。現状維持がよしとされる時代だった。オフィスでは表面を取り繕う行動で一日が終わる。そして、自発的に行動する人、新しいことに挑戦する人、ガッツのある人は、せいぜい問題児扱いというところだ。

「素直さをリスクとして扱う」ことと「生きものとしてのはたらきを捨てる」ということを天秤にかけるリアライゼーションはしんどい。でも、それをやめることは、範囲を広げて見れば見るほど高リスク。寄りかかる人になるか、寄りかかられる人になるかで悩む前に、まず自力で立ち続ける生命力を確認することを忘れないようにしたい。

<92ページ リーダーシップ より>
 仕事をしていると、必ず一度は自分の先見の明を自慢したくなるときがある。
 これは、とんでもないことだ。
 質問して、懸念を口にしても、それに対応するアクションがなかったなら、まったく意味がない。

質問をする場面で「質問の相手を利用してショートカットをしたいという欲が自分にある」ことを認識しないまま投球されるものは、それに対応するアクションが伴わない前提の上に成り立っていると感じる。それがここで「自分の先見の明を自慢したくなること」であると書かれているのがおもしろい。

<221ページ 戦略 / ベスト・プラクティス、その先を行く より>
 ベスト・プラクティスに注目するなんて、戦略のように聞こえないと思うのだったら、試しにベスト・プラクティスなしで、戦略を実践してみるんだな。
 ベスト・プラクティスは戦略実現に不可欠な要素だというだけでなく、もしも常に改善が重ねられていけば、それは持続可能な競争優位性となる。このもしも、という言葉がキーワードだ。
 ベスト・プラクティスは単なる心構えではない。もう宗教みたいなもんだ。

ヨガ出ましたー。みんなー、ここ、ここメモよぉー。

<267ページ 企業合併・買収 / 買収フィーバー より>
 どんな案件でも、買収企業のカルチャーに影響を与える。そのことを考慮すべきだ。被買収企業のカルチャーがうまく織り込まれることもある。

この場面では圧倒的に「人間好き」の人が必要になる。「カルチャーの外交官」のような人材を評価するのは、加減の計測ではむずかしい。そこは、掛け算の係数の重さを評価しないといけない。そして、その人が妬まれても折れないように協力すること。ここをちゃんと考えている買収後のマネジメントをまだ見たことがない。

<343ページ 昇進する / ネクラにならないこと。 より>
 そう、なにも高尚な話ではない。ユーモアのセンスを持ち、一緒にいて楽しい人になろう。

昇進した後の人が、これを忘れずにいられるかも重要ね。


題材がビジネス・マネジメントではあるものの、これはまるごと一冊「ヨガ本」です。