うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

身分帳 佐木隆三 著

映画『すばらしき世界』を観て原作が気になり、Kindle版があったのでさっそく買って読みました。設定が映画では現代に置き換えられていましたが、主人公のモデルになった人物はわたしの親よりもほんの少しだけ上の世代の人。 日本赤軍が事件を起こしたのと同…

感情が乗らなくてもできるように経験を積んでおいてよかったのだろう

今日は更年期世代のお仕事雑感日記です。IT系の仕事をしているときの頭のなか(意識)について書きます。 わたしは近ごろ、仕事で対象を深掘りする執着力のなさを感じるとき、ある程度のところまで手癖でできるようになっておいてよかったと思うと同時に、出…

自分で自分の運命を選べるか(遠藤周作「海と毒薬」読書会での演習より)

今年の2月に、遠藤周作著『海と毒薬』の読書会をしました。 わたしが設定している場では、いくつかテーマをピックアップして話す時間を設けています。 一定の熱量、複数の視点の交わるテーマを見極める目的もあって、事前に宿題を設定しています。せっかくの…

亀戸天神 藤まつり(東京都江東区)

もうすぐGWですね。わたしは先日、都内で開催されている花のお祭りへ出かけてきました。以前からいつか来てみたいと思っていた、亀戸天神の藤まつりです。 右も左も大きな藤棚が広がっています。 大きなカメラを持った年配のかたがたくさんいらっしゃいまし…

春のこわいもの 川上未映子 著

春じゃないけど嫌な感じのものはいつもどこかあるもの。春はそれがちょっと顕在化しやすいのかもしれない。え? ほんと? ほんとにそう?嫌な感じは自分のコンディション次第。そうか、自分のコンディションで視野が揺れるのか。そうだろうか。ほんと? ほん…

しばられ地蔵尊 業平山 南蔵院(東京都葛飾区)

都内で最も大きな水元公園へ向かう途中で見つけた「しばられ地蔵尊」に入ってみました。これがとんでもなくすばらしいお寺で、美しくて楽しくてスッキリしていて「なにこの美しさ!」とつい口にしたら、花壇のお世話をしている方から「ありがとうございます…

自虐が卑屈に見えるとき

先日、ある本を読みながら、これまでわたしが薄ぼんやりと自分の心の中に見ていた霧が晴れることがありました。 わたしはたまに自虐表現について考えることがあって、それは自虐が卑屈に見えるときとそうでないときの境目ってなんだろう、ということ。 他人…

注文の多い料理店 宮沢賢治 著

ベジタリアンの友人がこの本を読んだ感想を読み、わたしも読みました。もともと気になっていたのと、友人の視点とわたしの視点の違いも楽しみたくて。子供の頃に読んだ記憶は、もうほとんどありません。わたしはいま、この物語のどこに着目するのか。自分の…

「探求者の心構え」を読んで、無執着にもレベルがあると知った(ヨーガ・ヴァーシシュタ 第2章)

今年のはじめから『ヨーガ・ヴァーシシュタ』を再読しています。 第2章は短いのですが、第1章でこの世の無常に打ちのめされたラーマがそれを見事に言語化したところから、その勢いを引き継いでのスタートです。 第2章冒頭の「シュカの物語」は直後のラー…

根津神社のつつじ苑 文京つつじまつりへ行ってきた(東京都文京区)

近頃よく根津のほうへ行くのですが、ただいまツツジが真っ盛り。根津神社のつつじ苑へ入ってみました。 観光シーズンです。 季節イベント 5月1日まで開催中 入場料300円を払うと、ツツジの中を歩くことができます。夢の空間です。 ここで殿様とお姫様がデ…

阿片窟の死 アビール・ムカジー著 / 田村義進(翻訳)

大好きなシリーズの第三作目を読みました。この『阿片窟の死』は、インドの近代史に関心を持っている人におすすめです。いきなり三冊目のこの本から入っても大丈夫。ドラマの「相棒」みたいなおもしろさです。なぜこんなにも、今回はいきなりおすすめなのか…

生き方 〜人生で一番大切なこと〜  稲盛和夫 著

稲盛和夫さんの本をまた読みました。 最初に読んだ『考え方』の時にも書きましたが、ヨガの練習で知り合ったかたのおすすめがきっかけです。 稲盛和夫さんの本を何冊も持っているとおっしゃっていた中で、最初に『考え方』を貸してくださったそのチョイスが…

上野リチ展 ウィーンからきたデザイン・ファンタジー(東京・有楽町 三菱一号館美術館)

上野リチ展へ行ってきました。東京駅と有楽町駅の間くらいの場所にある、三菱一号館美術館で開催されています。先月か先々月に「こういうの、好きそうだから」とチラシをくださった方がいて、4月のはじめに久しぶりに会った友人二人とお花見をしたらそれぞれ…

ヨガは季節や社会と自己の間でクッション役をしてくれるもの

今年は3月後半から春を迎えるまでに、東京では気温が数回冬に揺り戻され、変化の大きな数週間でした。 今週もまた一度寒くなるみたい。なのに昨日は岩手県で30度のところがあったとニュースで聞きました。 わたしはヨガクラスでの冒頭の話を季節テーマで考え…

広大な水元公園へ出かけてきました(東京都葛飾区)

埼玉県三郷市との境界にある、東京都内で最も大きな公園「水元公園」へ行ってきました。あまりに広大で、桜の咲き始めた週末にも関わらず、奥へ入るとぽっつーんと誰もいない状態になる場所があって、ここはほんとうに東京なのかと思うような森でした。マス…

室町は今日もハードボイルド―日本中世のアナーキーな世界― 清水克行 著

先日、オンライン会議が始まる前の雑談中に、教養があるっていいなと思うことがありました。コロナは終わらないし地震は起こるし戦争まで勃発して、、、なんて世間話をしているときに、「もうそろそろまた年号変えなくちゃだね」とおっしゃるかたがいて、「…

「A」 森達也監督(ドキュメンタリー映画)

教祖が逮捕された翌年の、残された信者たちの暮らしに入り込んだドキュメンタリー。数年前に本を読んでいたのですが、このたび映画を初めて観ました。 虫を殺さず近所へ逃がしに出かけるような生活をしている信者たちの戸惑いと、連帯責任をとれ! 謝れ!と…

神はわたしの善性を引き出してくれるか(遠藤周作「海と毒薬」読書会での演習より)

2022年の2月に、2年2ヶ月ぶりに読書会を行ないました。 今日はそのときに、わたしが参加者の視点で思ったことを書きます。 再開・オンライン化にあたっては、選書・コンセプトの見直しも行い、再開の初回は遠藤周作さんの『海と毒薬』を課題図書にしました。…