うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ビッグ4 アガサ・クリスティー著 中村妙子(翻訳)

名探偵ポアロが主人公の小説を初めて読みました。これは以前の職場の同僚が6年前にくれた本なのですが、ずっと家の本箱のなかで眠っていました。
もしかしたらその人は、わたしがその頃「これまで江戸川乱歩しか読めなかったけれどやっとほかの作家の小説を少しずつ読めるようになった」というのを聞いて、この本をくれたのかもしれません。その人は自分でも趣味で小説を書くという人で「アガサ・クリスティーのなかでもとりわけこれは不人気で、だけど勝手に薦めたい」と言っていました。

読んでみたら、お薦めしてくれた理由がなんとなく想像できました。明智小五郎と少年探偵団のワクワクするような話のスピード感で、国際モノで、変装モノで、とにかくどんどん次の章を読みたくなる。小学生の時に図書室でゾクゾクしたあの感覚がよみがえる。久しぶりに毎週連続ドラマを楽しみに過ごすような気持ちになりました。

 

ポアロ」は名前だけ知っていました。子どもの頃に海外ドラマを家族が楽しみに観ていたのだと思います。わたしはあまり興味がなかったので、コロンボとかポワロとかジェシカおばさんとか、海外の探偵や刑事がいろいろごっちゃになっています。自分の意思で観た探偵はマイケル・ナイトからで、あれは車が喋るのが面白かったんだよな…。
そんなこんなで、わたしは探偵といえばもっぱら明智金田一

だったのだけど・・・、ポアロおもしろい! めっちゃ性格わるい!! すっかりファンになってしまいました。この高飛車キャラは癖になる。相棒ヘイスティングズさんとのやりとりがいちいちおもしろい。女性被疑者との駆け引きは明智と黒蜥蜴のようでもあり…、こりゃ大人気でシリーズ化されるわけだわね。

こうやって長年愛されるド定番クラスのシリーズものに触れてみるのは、いいものですね。ダイナミックな展開がとにかく新鮮です。伏線を覚えていなくてもひとまず読ませる。いつの間にか騙し合いに巻き込まれているドタバタを追う時間が楽しい。
早く判断して先に進んでほしいのに、急に相棒のヘイスティングズ

 


 「読者のみなさんが私だったら、どうしますか?」

 


と話しかけてくる。
ぎゃーーー。これずるいやつじゃん! 読者の意見をうかがってハートを掴んでいくやつじゃん! わかっていても、ニヤニヤしながら参加したくなる。
ベタだけど好きだわー、もー。という気持ちになれるって、しあわせなことですね。