この本が出たのは平成六年とあるから、1994年。
ヨギガンジーが活躍するオカルト・トリック・推理コメディ。
猛暑の中エアコンをつけずに「リシケシの暑さに比べれば大したことない」とか言ってる。
このシリーズの三作目を、やっと読みました。
約10年前に『しあわせの書』に度肝を抜かれ、ブランクを置いて読んだこの小説の感想といえば、これは・・・なんと説明していいやら。このシリーズは、毎回そういう感想になります。
16ページごとに袋とじになっていて、袋を開かずに一度短編小説を読んで、そのあとに袋をひとつずつ開いて、12回袋を開いて読んだときには全く別の小説を読み終えている、という仕掛け。
これをいま読むのに何が困るって
バスや電車の中で
カッターナイフを使えるタイミングが少ない
通報されそう(笑)。
発行から約30年後のギスギスした相互監視社会では、この本はずいぶん読みにくくなっています。そして袋を開いて読んでみた小説は、終盤が意外と大人向け!
この本が発行された当時、わたしはまだ学生でした。わたしが学生の頃は、トリックとかオカルトのテレビ番組もまだ残っていたと思います。そして、この小説に登場するヨギガンジーは、思いっきり胡散臭くて怪しい人。
ものすごく時代を感じるとともに、現代社会との違いを見て、歳をとるってこういうことかと思う。
袋とじを開けるたびに、90年代に既に大人だった人たちのワクワク感を想像しました。
そう思うと、いま60代でこの時代の価値観にアジャストできてる人って、ほんとすごい。尊敬する。
いろいろ楽しくいきたいよね。