うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

55歳の教科書 坂の上の坂を生き抜くために  藤原和博 著

先日、わたしよりも若い女性三人に取り囲まれて、質問されまくる機会がありました。

なにげない雑談で身体の調子の話になった時に、「身体的に色々できるようになる感じが大きかったのは、大人になってからだと34歳が折り返し地点だった。でも、その後もずっと楽しいですよ」と話したら、てっきり20代後半くらいかなと思っていた人が「わたしいま36なんですけど……」と近寄ってきて、もう一人「40歳の頃に、45歳くらいをイメージしてどんなこと考えてました?」と来て「わたしも聞きたーい」と連なり、囲み取材ってこういう感じ? と思うくらい、あれこれ訊かれました。

 

「わたしはこの年齢になったらこういう考えや発言ができる人になっておきたい、というのを30代の頃からイメージしていて、年齢を意識して生きてますよ」と言ったら、やっぱりみんなちょっと気になっていたことみたい。

 

歳は関係ない、というのは何か趣味を始める場合などに言うことであって、歳は関係ある。

わたしは30代前半の頃に、ヨガ教室にやってくる40代~60代の人をたくさん見てきて、子供みたいな喋り方か意地悪な喋り方・話題選びしかできないのは嫌だなとか、さらにそれを避けるために当たり障りのない話しかできない人にもなりたくない・・・と思ってきました。

 

そんな過去の思考からの年齢意識を話していたら、「あー。わたしそっちです。こうじゃない方がいい」「えー、それで言うとわたしこの前こんなことがあって・・・」とそれぞれが自分の話をはじめて、ナウなレディのいろんな思いを聞かせてくれました。

 

で、その日「彼女たちは他人に負担をかけないように気をつけながらも、個人の中で悩んでるんだな」と思って、家に帰って本棚を見たら、この本が手元にありました。

2年半前に、こんな本を読んでいました。

 

そうだそうだ。これを買って読んだのでした。

これを買った日のことは、初めて行った場所でふらっと入った本屋だったけれど、棚の位置まで鮮明に思い出せます。

いやー! そう。そうだった!なんか、方向性を定めるのに頭がとっ散らかるんだよね。そうだったそうだった。

で、付箋を貼った場所を読み返してみたら、この本を読んでおいてよかったと思うと同時に、この本にあったことを意識していたから、今のような感覚でいられるのかな、とも思いました。

 

 

急にこのシリーズが気になり『55歳の教科書』というのを読んでみたら、老後の夫婦のあり方の話が多くなっていました。

それでも一貫して、前回読んだ本と共通して貫かれているなと思うのは、多くの人と同じ選択でなくても自分で決めることや、リスクを避けることを最優先事項にしないこと。

日本人は「無難に生きること」を信仰しているという見かたをされていて、『フランス人は10着しか服を持たない』という本で読んだことと似た主張がされていました。

そしてそこからの掘り下げで鋭いなと思ったのが

 

 

  日本人は現世利益を求めてしまうから

 

 

という説明です。

わたしは、なぜ普段はリスクを避けることを重視しながら、こんなにも他人の個人情報や悪口を本人がいないところでペラペラ日常的に喋る人がいるのだろうと不思議に思うことがあったのですが、

あれは

 

 

  いま気持ちいい

 

 

からなんだと。ふといろんなことが腹落ちしました。

未来の信用よりも現在の快楽を優先するのもまた、現世利益的です。

現世利益的にリスクを避けたい人が多いと思うと、いろいろ納得することがありました。