うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

疲れない脳をつくる生活習慣 働く人のためのマインドフルネス講座 石川善樹 著

瞑想だけでなく睡眠や食事についても書かれていて、生活を見直すきっかけになりました。
特にいまは気温がぐっと下がり、わたしはついついお風呂の設定温度を上げたくなるのですが、熱くすると交感神経が活発になってしまいます。いまは41度にしているのですが、ほんとうは40度までにしたほうがいいみたい。


身体が冷えてくるタイミングが睡眠を誘うメカニズムは、アーサナ&ヨガニードラの実践でさんざんわかっているはずなのに、実生活の入眠に対して応用できていませんでした。

ゆっくり食べることの重要性も、ここ一年半の在宅ランチで痛いほど思い知ったばかりなので、小言を言われているように耳が痛い。

 


ヨガの沖正弘先生の本に、よく古い脳・新しい脳の話が出てきますが、この本を読んでいたら、その教えをまた思い出しました。

 人間の脳は、「古い脳」「真ん中の脳」「新しい脳」の三層に分かれていますが、習慣を司る「古い脳」は、新しい変化を極度に嫌がります。その意味では、人間は保守的に行動してしまう生き物なのです。
(「考え方」を変えるよりも「注意」を変える より)

脳は考えを変えることを嫌がるという前提で、意識の使い方をあれこれ開発したヨガの先人たちの工夫なんですよね。以前はあんなに実感を持って感動していたのに、慣れていくうちにこの知恵を忘れていたな、と思いました。

 


わたしはヨガクラスにヨガニードラ(ヨガの睡眠)を入れているため、クラスの前にたまに熟眠・夢眠・覚醒の意識の状態と「記憶」の話をするのですが、それはインドの古い書物にそういう話がよく出てきたから。
この本では睡眠と記憶について、現代の根拠・視点で、とてもわかりやすく解説されていました。

浅いレム睡眠が記憶を定着させる効果があるのに対して、深いノンレム睡眠には、記憶を統合する効果があると指摘されています。脳は神経細胞ニューロン)のかたまりであり、神経細胞はインターネットのような無数のネットワークを作り上げています。
 記憶を保持しているのも神経細胞のネットワークですが、起きているときは比較的狭い範囲のネットワークでしか記憶はリンクしないようになっています。ところが、深い眠りに入ると第1章でお話しした「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」になるので、起きている間はリンクしない脳内のあちこちにある記憶がネットワーク化されるようになるのです。
(「心」を休める睡眠と「脳」を休める睡眠 より)

著者はデフォルト・モード・ネットワークを人為的に作り出す方法として、瞑想をあげています。

 

わたしは心のしくみを確認するときに、バガヴァッド・ギーター第2章62節と63節をよく見直すのですが、63節で語られる「迷妄→記憶の混乱→知性の喪失」は、長期的な視点で見ると、記憶を統合するはたらきの欠如。
かつて短時間睡眠で何年も働いていた生活を思いながら、記憶の統合が人間性と結びついていることについて、あらためてその重要性を感じます。
若くてどんどん吸収できるときに総合的に能力を向上させるための脳のメンテナンスもするって、そんな余裕がある人はどのくらいいるのだろうと思うのが現実ではあるけれど、今からでも意識していきたいことです。まだまだ働くことは何十年も続きます。


来年から生活習慣をどうやって整えたらよいか、参考のために読んだのですが、結局はヨガの復習とひとり反省会になりました。
窓を開けてバスソルトをたっぷり入れた熱いお湯に浸かって露天風呂気分♪ というのがここ一週間の静かな楽しみになっていたので、なんだかタイムリーで見透かされた気分。ギャフン。

ひとまず風呂の設定温度はグッとこらえていこうと思います。