東洋哲学の本が売れるなんてめずらしいみたい。
さっそく気になって読みました。すごい勢い。いっきに読まされました。
画像の使い方がネット的で、本なんだけどブログっぽくて、ブッダに乳粥を渡したスジャータをギャルと表現していたりして楽しく読めます。
序盤の時点でいいなと思うポイントがあって、信頼を寄せて読み進めました。
この二点です。
- 西洋の哲学者は、「生き方」にあんま興味がない人がおおい(はじめに より)
- 東洋哲学がいいのは、「哲学のための哲学」をしないこと。必ず「ラクになる」という目的がある(2章 より)
わたしは仏教の場合だとスマナサーラ長老がお話に際に使う「マシになる」という表現が好きなのですが、基本的に人生を「ラクにする」ための考え方だよなと、あらためて思い直しました。グッドではなくベターを日本語にした感じ。
「密教」は超ポジティブ という説明がよかった
この本の最終章は密教と空海さんなのですが、空海さんを「陽キャ」と説明されているのがおもしろくて、こんな見かたがあったかと新鮮な気持ちで読みました。
その姿の首の太さの比率から体力を想像して「フィジカルモンスター」と表現されているのが最高。わたしは満濃池まで自転車で行ってみたり、九度山から高野山まで歩いて登ってみることで感じました。こーんな場所を徒歩で開いたの!? と驚愕します。
当時、仏教の聖地へは女性の入山を許さないため、高野山の下にいる母親に会いに月に9回往復したから「九度山」というのもまたすごくて、ほんとに体力モンスターなのです。
密教そのものの解説も、これは避けてもふわっとさせてもどっちにしても難しいであろうと思う性エネルギー(シャクティ)の説明がとても上手で、そこから自我がなくなること→「働くこと」が紐づけられる展開に感動しました。