去年からちくちくと英文で古典を読むというのをやっていて、いまはゲーランダ・サンヒターをやっています。
これをやっているとネタに尽きないくらい、いろいろと面白い発見があるのですが、5章48節は阿字観でした。
■5章48節
First I shall tell thee the Sagarbha Pranayama. Shitting in Sukhasana posture, facing east or north, let him contemplate on Brahma full of Rajas quality of a blood-red colour, in the form of the letter a (अ).
(うちこのかけあし訳)
はじめにサガルバ・プラナヤマについて話そう。スカーサナで東か北を向いて座る。ラジャス性の真っ赤な血の色で満たされたブラフマを、aのビジャ字の形とともに想うべし。
訳は自分にわかればいいやという日本語なので、「ビジャ字」とか意味不明かと思いますが、うちこ版ゲーランダ・サンヒターはかなりノリノリな訳です。性格的にわりとその世界に入りやすいのと、この話のテイストがベスト・キッド風であることと、そもそもタフ・ガイが教えるごっついヨガなので(笑)。
プラナヤマの章で、またきっつい比率の呼吸法(吸う:止める:吐く=1:4:2とか、無理ー!)をやれって言うんだろうなと思っていたら、「おっと阿字観?」と思い、手が止まりました。
なるべく見ないようにしているお手本、佐保田先生訳を参照してみると……
<続・ヨーガ根本教典 106ページより>
五・四八
サガルバ・プラーナヤーマ
最初にサガルバ・プラーナヤーマを解説しよう。スカ・アーサナの体位で、東方または北方に向かって坐り、かのラジャスのグナから成り、血の如くに赤い色の梵神を、種字ア音の形で想念すべし。
うーん、重厚で雰囲気あるなぁ。
そして、その横の親切な解説に
ア(a)は真言宗の阿字観の阿字である。
と添えてある。
いつ読んでも至れり尽くせり。
ゲーランダ・サンヒターではこのあと、
っていうのをやるんだぞ! 逆の順番でもやるんだぞ! 鼻を押さえるときは、人差し指と中指は使わないんだぞー! と、ゲーランダ先生がチャンダ君に教えます。
ナディ・ショーダン・プラナヤマに想念対象が明確にくっついて、呼吸の比率がめっちゃきっつくなった版です。
これが「サガルバ・プラーナヤーマ」という名前で登場しており、「阿字観」は、その準備・出だしということになっています。
わたしは根性なしなので、ずっと阿字観のところだけ練習しますよゲーランダ先生!
【参考】
わたしが勉強に使っている本はこれですが、ペーパーバックは高いので、英語版で手に入るPDF(いろいろある)を活用することをおススメします。「gherandha samhita PDF」で検索すると出てきます。
Books Faith
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