うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ゲーランダ・サンヒターとパラッパラッパー


11世紀から18世紀までに書かれたハタ・ヨーガの古典に有名なものがいくつかあるのですが、わたしは「設定」を含めて弟子気分で楽しみます。
今日は有名どころで

  • ゴーラクシャ・シャタカ(G.S.)
  • ハタ・ヨーガ・プラディー・ピカー(H.P.)
  • ゲーランダ・サンヒター(Gh.S.)
  • シヴァ・サンヒター(S.S.)

の4つについて、やや強引にまとめつつ紹介します。
(補足:ヨーガ・スートラは4世紀〜5世紀の書物で、技術面よりも思想も含めたヨーガそのものについてをまとめたもの。上記はハタ・ヨーガの奥義書です)


今日は、11世紀以降の話です。ゴーラクシャ・シャタカ以外は佐保田先生の訳本が出ています。「ヨーガ根本教典(H.P.収録)」「続・ヨーガ根本教典(Gh.S.とS.S.収録)」。それぞれ、こんなたてつけです。

教典 著者、語り手 設定のノリ こんなかんじ
G.S. ゴーラクシャ・ナータ 著者が明確。ゴーラクシャ・ナータさんの著書。 H.P.以前のハタ・ヨーガ指南書。抜け落ちたものもあるらしいが101項。ナータ派のシヴァ信仰。解脱=自由平和なシヴァの状態、という記述あり。シンプルだが構成も内容もクールな技術書。
H.P. チンターマニ スワミ・スワートラーマ(=著者でしょ)という設定のひとり語り 具体的な修行法からトンデモな領域まで網羅。瞑想の段階や聞こえる音についても触れ、ラージャ・ヨーガを目指す権威のあるハタ・ヨーガ奥義書という扱い。ゴーラクシャほか過去の人物の名前も登場する。
Gh.S. 著者は不明だが設定上ゲーランダ 弟子のチャンダとゲーランダ師匠のかけあい マッチョなゲーランダ師が、チャンダを鍛えていく。一面一面難易度が上がってクリアしていく感じが、パラッパラッパーのよう。孫悟空武天老師のようでもある。身体づくりが肝心!というガタ・ヨーガを提唱。
S.S. 著者は不明だが設定上シヴァ 途中までひとり語り。5章から妻が登場し、師弟調へ ヨーガ・スートラ同様、各章の成立にバラつきがありそう。なかでも第1章はもろに空海密教で、中国に伝来したヨーガとの関係が気になる。ハタ・ヨーガもガタ・ヨーガもタントラも網羅した総括スタンス。

ちなみにシヴァの奥さんで「シヴァ・サンヒター」に登場するのはパールヴァティーさん。カラオケでいきなり「三年目の浮気」を歌い始める男女が登場したような、その唐突さに不思議なおもしろさがあるのですが、これはヨーガ・スートラ同様、各章の成立年や編纂者が違うからかと推測。


どの本もなかなかおもしろいのですが、わたしは英語版の語感の影響もあり、ゲーランダ師匠のブートキャンプ・スタイルが大好き!
以下の5つはゲーランダ・サンヒターの型に入る。
「ミラレパ」「ベスト・キッド」「スター・ウォーズ」「パラッパラッパー」「ドラゴン・ボール」


あまり脚光を浴びない「ゲーランダ・サンヒター」ですが、わたしはこれがめちゃんこ好きなのであります。澤庵宗彭と宮本武蔵とか、柳生宗徳と忍者とか、そういう大河ドラマ風の修行場面を想起させるので、日本人はけっこう好きなはず、と思うんですけどね。
久しぶりに、たまねぎ先生やニワトリ先生が鍛えてくれる「パラッパラッパー」をやりたくなってしまった。あーなつかし。