うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

チャレンジにブレーキをかける「思いこみ」を観察しよう

盛岡では、マントラ漫談のあとに動きました。
主催者さんのリクエストがド直球に「動きを、みせてほしいの。うちの生徒さんたちに、多少 "チャレンジ" ってものをやってみてもらいたくて」ということだったので、動きました。
漫談にくらべるとこっちは気楽です。「つかみ」とか「ほどよいボケ」とか用意しなくていいから。「けがしてる人〜? どこぉ?」って聞くくらいで。


よく考えたら、わたしも普段あまり人の動きを見させてもらうってこと、なかったなぁ。
と思ったので、まずは普段わたしが黙々とやる宅ヨガメニューを、「どうぞお好きな角度からジロジロ見てください」としました。(みなさんには縁日で売っている「カラフル星型メガネ」をかけていただいております)




輪になって、どうぞどうぞ。パンダ状態です。



いちおう根はまじめなので、事前に案内をしておりました。

難しそうに見えるアーサナのなかには大きく分けると二種類あります。
「鍛錬のプロセスがいるもの」「思いこみを克服するもの」

実際にわたしの動きを見て、みなさんも一緒にチャレンジしてみてください。
一般的に「コツ」と言われるようなものは、「思いこみの克服のしかた」かもしれません。
ちょっとアジャストするだけでできるものもあるかもしれませんが、「身体を動かすことへの取り組み、理解」をちょっと変えるだけでできてしまうものも多いのではないかと思います。


というわけで

「手を、こう、びやぁ〜っと開いて、わきの下に膝を丁寧に入れて……」と、バカ・アーサナ



見ているうちに、それぞれのタイミングで、自身のマットへ。



ティッティバにもチャレンジだー。




これはカポエイラの準備運動で教わった動きなのだけど、腕のバランスで難しそうなアーサナをやる前におすすめの「ハコ乗りのポーズ(勝手に命名)」。顔を下に向けていないので、恐怖心が起こりにくい。手のひらと腹の使い方をまずはつかまないと、はじまらないんで。
 「バイクにハコ乗りするおねえちゃんと同じ膝と胴体のベクトルなのよぉ〜。あとは、足は意志を持って上げないと上がんないからね。特に下の足」
ここで「手のひら」「わきの下の内側(=肘のヒキでもある)」「ハラ」の連動感覚と、「意志を持って動かすべきところ(ここでは、下になっている足のくるぶし)」の役割や性質をつかんでおくと



これは、足首と足の甲が痛くなければそんなにむずかしくないの。というやつなんだけど、あっさりできた人がひとりいた。
見た目と難易度って、意外と比例しないんですよ。ってことがわかったりする。


基本的に、アジャストはしません。言葉を耳で聞いて身体を動かすというプロセスの中に、トラップがある。「できそうで、なぜかできない」と「ひとりでできなくてもいいと思っている」という脳は、出す信号が違う。身体は、それに従う。
脳内で「できない」という信号が出ているのにアジャストをする場面があるとしたら、いちじるしく左右や前後の力点が偏っている場合です。


基本的には、

念仏スタイルです(笑)。
 - かかとの内側をくっつけて……
 - 足の指を長くして……
 - 少し肘の内側で床を押す感じで……
 - のどの裏のリキみをとって……
などなど。その瞬間の、その人への念仏。「そうなってくれ、たのむ!」と。




このかたの場合は、普段ヨガの指導をされている方なので、たまにはこんなふうにしてもらいたいかも〜と思って、というわけではなく、極端に力点が左に偏っていた。グラッときたのをエイッてできちゃうために、癖が強い。なので、あえてゆーっくりやってみた。



まだやりなれていなくても、せーので、途中でわからなくなったら



脚が浮く瞬間と



そこからのかなりゆっくりな動きを見て、「目の前にある、できる前提のもの」になれば、あとは、すぐね。
この方の場合は「どうぞ見て」とすることで、「できない」の脳内成分がみるみる溶解していく様子がわたしにもグイグイ伝わってきておもしろかったです。「できなくてもいいと思っている」のであれば、こんなに食い入るように見ないですからね。
セットアップ時に「ただ頭を入れるだけじゃないの。富士びたいの "富士" のところを、ゆっくり、みっちり入れていくの」という説明に、目が富士山の形になってた(笑)。


わたしは、案内の末尾にこう添えていました。

ここでは、「アジャスト」よりも「サジェスト」に要点をおきながら、みなさんと一緒に身体内観漫才を楽しんでいきたいと思います。ボケるのもあなた、ツッコむのもあなた。
わたしはそのボケとツッコミの「テンポ」や「ノリ」をお手伝いする。そんな役割分担でいきましょう。


そんな役割分担で、楽しい2時間を過ごしました。
みなさん笑いのツボを摑むのが早かったので、じきにひとりでできますよ。