うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

クンダリーニ・ヨーガ シャクタ・カー カルサ著

クンダリーニ・ヨーガ シャクタ・カー
起源、基本の説明にはじまり、アーサナ、瞑想、最後にはレシピまで。アーサナもやさしいものが多く、生活にとりいれやすいエッセンスが多く載っています。
格闘技好きの人には「火の呼吸」だけ突出して知られていたりするのですが、アーサナの写真に高齢のモデルさんが登場しているとおり、何歳になっても続けられそうなものばかり。プラーナヤーマ、瞑想も含めて、ゆったりと自然の中で行いたいなぁと思うまとまりです。
インドは大きいから言語もいっぱいあるし、宗教とヨガの親和のしかたもいろいろ。系統立ててまとまったヨガの教えはたくさんあります。クンダリーニ・ヨーガの瞑想は、日常に取り入れやすいのに、目的別にバリエーションが細かくてユニーク。短いマントラと一緒に集中を高める方法は、メモしたいところがいっぱいでした。


面白かったところは写真もおりまぜながら、メモしたいと思ったところを紹介します。

<10ページ クンダリーニに対する誤解 より>
(コラム:ヨーガ行者の王)
昔々、インドにババ・シリ・チャンドというヨーガ行者がおりました。若く美しい姿で何百年も生きていました。楽々と奇跡を起こし、瞬間移動も思いのままです。「ヨーガ行者の王」と呼ばれる彼の命令に、すべてのものがしたがいました。彼は、グル(導師)の称号が与えられることを、今か今かと心待ちにしていました。
グルは「闇(グ)から光(ル)のもとへ導くもの」という意味です。ところが、グルに指名されたのはラム・ダスという平凡な男でした。それを知ったババ・シリ・チャンドは怒り狂いました。自分こそが次のグルだと確信していたのに、なんということでしょう!
彼が怒りに駆られてグル・ラム・ダスを訪ねると、グル・ラム・ダスは瞑想にふけっていました。彼が近づくと、グル・ラム・ダスは目を開け、にっこりとほほ笑みました。それは心からかれを歓迎した笑みでした。そして、自らの長いひげで、客人の足のほこりを払いました。ババ・シリ・チャンドは言葉を失い、すぐさま、なぜラム・ダスが真のグルであり、自分がふさわしくないかを理解したのです。
かれはグル・ラム・ダスに膝まずき、こう言いました。「あなたが真のヨーガ行者とは、『すべての中に神を見る無欲なしもべ』だと示してくださいましたので、つつしんでヨーガ行者の王という称号を捧げます。」
人類への奉仕、愛と謙虚さで知られるグル・ラム・ダスは、シーク教4代目の導師です。

さし絵を見る限り、このババ・シリ・チャンドはいわゆるババジ師。「誤解」という章でとりあげ、最後が「グル・ラム・ダスは、シーク教4代目の導師です。」と締めくくられていることに、「空海さん&最澄さんのような特有のなにかがあるの?! ヨガっぽくない書き方だけど……」と少し変な感じがしました。

<30ページ ムドラー 手の形 より>
ヨーガバイブルよりも多くが掲載されていました。のちにメモする「サタナマ瞑想」でも登場します。
 ●ギャーン・ムドラー:親指と人差し指(知識と叡智の活性化)
  受容的なギャーン・ムドラー:親指と人差し指の先
  活動的なギャーン・ムドラー:人差し指の先を親指の関節の下につける
 ●シュニ・ムドラー:親指と中指の先(忍耐力、洞察力と決意する能力)
 ●スーリャ・ムドラー:親指と薬指の先(新しい活力と豊かな創造力、神経鍛錬)
 ●ブッディ・ムドラー:親指と小指の先(はっきりと直感的にコミュニケーションをとる能力の鍛錬)

これまでチン・ムドラーと法界定印しか知らなかったので、勉強になりました。


<157ページ 瞑想の構成要素 より>
マントラはあなたを向上させる音の波動でできています。くり返し唱えることで、口蓋のつぼが刺激され、視床下部のホルモン分泌と脳上部の脳内物質が変化します。高次の意識になるための、科学的な過程のはじまりです。

わたしはマントラよりも読経のほうに親しんでいますが、おなかの底から頭のてっぺんまで響いて刺激される感じの心地よさが、これなのかな。


<154ページ 瞑想への理解 より>
まず、体が静止せねばなりません。体が静止すると、心が暴れはじめます。この時点で、適切なポーズの練習、内面への集中、呼吸への集中、そしてマントラが不可欠になります。
(中略)
思考を潜在意識に投げ込み、感情的なきっかけで何度も浮上させるのではなく、ただ通過させることで心が浄化されます。

まだ浅い経験ながら、とてもわかりやすい表現だと思いました。高野山で瞑想を教わったときも、「ただ、ぼーっとやり過ごす」といった説明がわかりやすかったのでした。

<157ページ 瞑想の構成要素 より>
変化を起こすための日数
 ●40日間:習慣を変えるために40日かかる。
 ●90日間:習慣を定着させるために90日かかる。
 ●120日間:新たな習慣があなたという人そのものになる。
 ●1,000日間:新しい習慣をマスターする。

まさに継続は力なり、ですね。

<160ページ キルタン・クリヤー サタナマ瞑想 より>
(以下、メモとしてまとめます)
Sat Namを一音ずつに分けるとSa・Ta・Na・Maという音になります。
(中略)
aの音は、アーと伸ばして発音します。それぞれに次のような意味があります。
 Sa → 宇宙・全体
 Ta → 生命・創造
 Na → 死・崩壊
 Ma → 再生・復活

マントラをサー、ター、ナー、マーと唱えながら、親指と他の指を連続的に押し合わせます。
 Sa → 受容的なギャーン・ムドラー:親指と人差し指の先
 Ta → シュニ・ムドラー:親指と中指の先
 Na → スーリャ・ムドラー:親指と薬指の先
 Ma → ブッディ・ムドラー:親指と小指の先

3種類の声を使います
 はっきりと大きな声 → 人の声(3分間)
 ささやき声 → 恋人の声(3分間)
 無声 → 内なる声(3分間)
2回目は無声、ささやき、人の声の順で各3分。合計9分×2で18分間になる。

これは、なにかの待ち時間でもできそうだなと思ったので、メモを残します。


<163ページ 中毒を絶つ瞑想 より>
(以下、メモとしてまとめます)
不健康な習慣や悪癖を絶つには、脳内物質が変化しなければならないそうです。
この脈動(写真参照)は他の内分泌器官を調整する下垂体の働きを調節するそうです。
親指の圧が脳の中央へリズミカルな電流を発射し、均衡を取り戻す助けになるそうです。

親指をこめかみに置き、指先がぴったりはまるくぼみを見つける。
奥歯をかみ合わせ、唇を閉じる。
左右交互に噛み締め、ゆるめる。(右を噛み、左をゆるめる。その逆、というように)
第三の目に集中し、噛み締めるたびに一音ずつSaTaNaMaの音を聞きます。

精神バランスを取り戻すのにもよいそうです。



このほか、「集中と優しさのために」として書かれている、右手の4本の指で左手の手首の脈拍を感じながら行う瞑想も。心の中で唱えるマントラも「Sat Nam」と短いので覚えやすいです。
ちなみに「Sat Nam」は「真実が私の正体です」「真実─アイデンティティ」という意味だそうです。
心を落ち着かせるための行いは、本当にさまざまですね。


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