うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ヨガを始めた頃の気持ち

先日、昔からの友人と話す機会があって、わたしがヨガを始めたときにどう感じたかを訊かれました。

「これは自分に向いてる! 得意だ!」と思ったかと。ビビビときたか、みたいなニュアンスの質問でした。

友人の娘さんが少し前からヨガを始めて、とても気に入ってハマっているみたい。

 

 

 

質問をしてきた人は古くからの友人です。

出会った頃の、まだ10代だったわたしの口調のまま答えました。

 

 

 

  得意だ! みたいなのはなかったけど、

  初期の段階で、こりゃやばいと思った。

  合法的な麻薬だと思った。

 

 

 

さらにもうひとつ、正直に重ねました。

 

 

 

  今もそう思ってる。

 

 

 

酒も肉も魚もNGな場所へ世界中からヨガをしに人が集まる場所があるくらいですから、そういうものだと思っています。

 

 

 

もうひとつ、これがリラックスにつながっているのかな、と思うポイントがあります。

わたしのことを学生時代から知っている友人にサラサラと話せたことによって、新たに気づいたことがありました。

 

 *  *  *

 

わたしは20代までずっと、チームスポーツをやっていました。

だけど、ヨガには格別の楽しさがありました。

 

 

 

  役割のプレッシャーがない

 

 

 

チームの一員として役割を担うのではなく、わたしは監督兼プレイヤーでいられる。

右手、左手、右足、左足、骨盤、肋骨、頭蓋骨、背骨・・・を統括しているのがわたしで、わたしが「一部」になることがなくて、ずっと統合された状態でいられます。

この感じを、わたしは "楽しい" と感じました。

 

 

なので、たまにヨガ教室で耳にする以下の意味や発言の意図がわかりません。

いまでもわからないので、自分が講師のときには言いません。

 

 

 

  ヨガは他人と比べないもの

 

 

 

もともとチームスポーツのなかで役割とともに運動をしていたので、ヨガをしながらどうやって他人と比べるのかがわからないのです。

そして、このわからなさが転じて、自分の精神疲労の原因を知ることになりました。

 

 

 

  わたしは「役割を獲得し続けること」にとらわれて疲れていた

 

 

 

わたしがヨガを始めたのは30代のはじめ頃でした。

任せてもらえた仕事は全部期待以上の形で返して、社会のなかで自分の居場所を作りたい。

そういう気持ちでずっとやってきて、同時に「それにしてもこの感じって、いつまで続けられるんだろう・・・」という気持ちもある。役割を獲得し続けようとすることへのプレッシャーに気づく視点を得たきっかけが、ヨガ教室での練習の時間でした。

なので、ビビビとはきていません。「遠因」なので、少しずつ知っていった感じです。

それが、スッキリ感の正体だった。

 

 

 *  *  *

 

 

ヨガにハマった友人の娘さんはまだ10代の終わり頃の年齢で、わたしとは時代も状況も違うけれど、役割から解放されるスッキリ感に気づくきっかけとしてヨガがあったという点は似ているのかも。

ヨガはものすごく個人的なものだから。

 

 

わたしは自分の心の「型」みたいなものを探っていくことができるのがヨガの豊かさだと思っているので、「過去の不調の克服・立ち直り」というストーリーでそのメリットを伝えることをしません。わたしの場合は直接的にはそうではなかったし、続けている理由もそれではない気がしているから。

 

 

タワーマンション購入ポエム」と同じように「ヨガに救われたポエム」も「型」があるかのような自己紹介文をよく見かけます。それは、外面の「型」じゃないかと思います。

ヨガのいいところは、わたしの場合は自分の内面の疲労の「型」、感覚と記憶が連鎖して調子づくときの「型」など、さまざまな「型」を探っていけるところでした。内面というのは、筋肉や贅肉よりも、神経や心のほう。

これは時間が経ったら見えてきて、少しずつ言葉になったことです。

 

 

それはそれとして、ヨガを始めるきっかけや初期のモチベーションはなんでもいいと思っています。

 

 

友人と海を眺めました。

青春! という年齢の倍の年齢になっても、青春時代のように話をしています。

 

 

 

<わたしからのお知らせ>

わたしが東京で日曜に開催しているヨガクラスのご案内ページを新たなものに変えました。以下のリンク先から詳細をお読みいただけます。

身体を整えながらリラックスできる空間・内容を考えて構成しています。はじめましての方も、お久しぶりの方も、どうぞ気負わずご参加ください。

身体を動かして休ませて、役割をひとまず脇に置いて、スッキリしてまいりましょう。