わたしはその山道の始まりにいます。
月刊誌だった生理が隔月になって、季刊誌になって、ムックになって……というふうに進んでいって、あら一年経ってたわとなたっときから、さらに数年で抜けていく。いまわたしは、月刊誌じゃなくなってきたくらいのところに立っている。手帳に記録をつけています。
わたしは少し前から、もともとは四十肩をきっかけに漢方薬とサプリを、そのあとは命の母Aを、というふうに市販のものを迷わず取り入れながら、さらに毎日納豆を1パックもしくは豆乳を欠かさずに摂取し(これはもはや「まじない」)、日々を過ごしています。
緊急事態宣言を機に毎日家で昼食を摂るようになってから、血糖値スパイクの症状にも気づきました。以来、食生活も日々チューニングを続けています。
さて。
この本を読んだのには、あるきっかけがありました。
少し前に、久しぶりに再会した四歳年上の友人から「なにが食べられないか」を聞かれて、うどんの話になりました。
その友人と食事をしていたら腕にパッチを貼っているのを見せてくれて、ホルモン補充について知りたくなって本を読みました。
ホルモンバランスの変化への対応のしかたには、想像以上にいろいろな方法がある。
特に漢方のページは有益な情報が満載で、ほかにも、ただ女性ホルモンを補給するだけでなく、意欲の低下などの場合は男性ホルモン(テストステロン)も一緒に補給する混合製剤もあるなど、ありとあらゆるノウハウがまとまっています。
第二類医薬品として市販されているエストロゲンのクリームのほか、男性ホルモンを補充する「グローミン」、女性ホルモンを補充する「バストミン」の存在も知ることができ、とにかくひとつひとつのページのちょっとしたコラムも見逃せなくて、情報の網羅性がすばらしいです。
細かな不調のバリエーションには個人差があるとして、わたしが自分なりにヨガや運動・食事で整えることができるのは睡眠に影響する部分までかなと思っています。毎日よく眠れるように心がけ、それでもしんどい時に、方法がたくさんあると知っておくと安心できます。
もともと自分でできるだけ気をつけて、病気になるならそれはそういうものと思っていたのですが、誰もが通る道でいずれは終わるものとなると、話は別。ステッキがあれば登山が楽になるようなことかな。
わたしはこの本の会話を読む限りではものすごく劣等生というか、ものすごく意識が低いことになっていて、フンガー!となったのですが、「うるおう女になる10か条」のうちの9つは全部日常に組み込まれています。よし!
もの覚えが悪くなっていることは「情動のトラブル」として捉えることにして、本を閉じました。
わたしはヨガ以外の健康法をどうも面倒に感じて、そんな自分を肯定するためにヨガを万能なものとして最上位に据え置きにしてしがち。でも、「大豆のまじない」が効かなくなったら病院へ行くわけなので、現代の知識も重要です。
軽いものからしっかりとした治療方法まで、とにかくものすごい情報量なので、40代半ば以降の人が読んだら、必ず「ああこれか」と思うことがあるはずです。
わたしはここ数年で、同世代の友人との揚げ豆腐ディナーを「エストロゲン・ナイト」と名付けて楽しんだり、もうなんかいろいろ工夫が増え続けています。
昭和の時代のように女性がヒステリックになるイベントとして扱われるには、対応年数が長すぎますから。「女のヒステリー」も「コーネンキ」も、口で言えば2秒弱だけど、実際は10年近い。
いまは同じ時代を生きる同世代の仲間たちと、ともにこの時代の山越えの景色を眺めていきましょうぜと、ヨガに納豆に命の母に、さらにはホルモン補充も視野に入れながら、まじないをあれこれ実践していきたいと思っています。