なになに、そんなヤングな友人がいるのかと。
事実誤認を誘うようなタイトルでごめんなさいね。今日は、わたしの半径50センチの話です。
わたしの友人には裸眼で生活してきた視力強者が多く、ずっとメガネをかけてみたかったの! なんて言いながらリーディング・グラスをおしゃれ雑貨として買っている人がいて、「金にモノを言わすとはこういうことか」と思いながら見ています。
わたしはコンタクトレンズを入れていて、左が乱視多め、右が近視。夜になると見えなくなるけれど日中の太陽光の下だとコンタクトなしでもけっこう見えるという、環境によるアップダウンの激しい視力で暮らしてきました。
なのでこういう時はこう。というパターンが自分のなかにざっくり定着しているのですが、近頃の悩みは映画です。
字幕が右に出るのか下に出るのか、書体はどれか、できれば事前にちょっと知りたい。丸ゴシックだと読みやすいのだけど、隷書っぽい昔のあの書体だったら2列前にしておこうかな、と。
そんなわたしは、イベントのような映画上映会の際には字幕がアリかナシか聞いてから座る場所をを決めます。
今年の夏に観た長いインド映画「ラーマーヤナ ラーマ王子伝説」のときもそうでした。
その日一緒にいた友人に、「このくらい前の席でもいい?」と尋ねたら、「いいよ!」と付き合ってくれました。
そんな視力強者の友人が、長い映画の途中休憩で、言ってきたのです。
ねえ、この映画ってちょっとボヤけてる?
焦点が合わないんだけど
ボヤけてないよ。字幕も読めるよ。
前の席にしてよかった。
えっ・・・
アッ!(同時)
インドの映画は長いので、途中休憩があってよかった。
友人は「後ろに移動してみる・・・。またあとでね」と去っていき、上映後に「見えた~」とマルのサイン。
・・・・・
この映画ボヤけてるねと言ったから 今日はあなたの老眼記念日
・・・・・
心の中で静かに一句読みながら、しっぽり飲んで帰りました。
きっとこの先ずっと「あー、あの、あなたの老眼記念日に一緒に観た映画ね」と振り返ることになるでしょう。
たのしいわ。