うちこのヨガ日記

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吾輩は猫である(映画・1936年版)


先日、東京三鷹の「星のホール」というところで上映会が行われたイベント「小説を、観る。」で、1936年の映画「吾輩は猫である」を観てきました。
登場する俳優さん・女優さんの名前で知っている人は清川虹子さんだけ。視界に入る人の中で、わたし5番目くらいに若いかも! と思うような平均年齢の上映会。こんな思い、なかなかできない(笑)。
昔の映画は短めだったのかな、88分。思いのほかいまの感覚で見ることができました。
かなり要素を削っており、内容は寒月君と金田家の栄枯盛衰にフォーカスされた構成。なんたって金田の奥さんの鼻がおもいっきり「つけっ鼻」での演技なのがたまりません。三毛子ちゃん・独仙さまは存在ごとカットされ、迷亭さんの伯父さんの仙人も挨拶のみの登場でした。

苦沙弥先生がブチ切れるシーンで歌われる歌が、ひょうきん族で「妖怪人間・知っとるケ」が出てくるときの「しっとるけ〜のけっ♪」のメロディで「まっくろけ〜のけっ♪」でした。「わわわわ。これ、あれのモトネタ?」と思ったり、細かくいろいろおもしろかったです。猫の扱いも、これいまだったら無理かもというくらい雑で、とってもリアリティがありました。
この上映会には知っている人もおいでになっていて、帰り道で聞いた彼女のコメントに「ほんとだっ!!!」となりました。
この映画は



 まるで、「虞美人草」を映像化したような印象



なのです。
金田家の娘役の女優さんがあまりにも「藤尾的」で、多々良三平役の俳優さんがあまりにも「宗近的」な見た目。
寒月君と金田家周辺に話をしぼると、

  • 金田家の娘=藤尾
  • 寒月君=小野
  • 多々良三平=宗近

で観れる。これは、狙ったのかしら。
ほんとうにその通りだわ! と興奮してしまいました。
これを発見した彼女は1975年版(市川崑監督/仲代達矢主演)も観たそうで、まぁとにかくわたし以上に細かく見ているし、くわしい。
この上映会は二本立てで、もう一本は「こころ」でした。この感想はたいへん長くなるので、また後日。




(余談)
この日は暇だったので吉祥寺から歩いてみたのですが、



このあたりはたいへんな太宰治さん推しエリアなんですね。





最近まで「玉川上水」を「二子玉川の上流にあるもの」と勝手に思い込んでいたので、世間知らずっぷりを克服すべく、歩いてみました。





味わい深い看板!





スペイン料理屋さんかと思ったら、ダンススタジオでした。たまらん書体。
吉祥寺から三鷹までって、公園を抜けていくとけっこう距離があるんですね。気持ちよく汗をかきました。


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