うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

Samkhya Karika with Gaudapadacarya Bhasya / Brahmrishi Vishvatma Bawra 著


Swami Bawra さんが Virat Nagar Ashram で1995年にレクチャーした内容をテキスト化したものです。英文です。
ガウダパーダ註にスワミの解説がついた流れでサーンキヤの魅力をあますところなく紹介。単語の解説もすばらしい。
まだまだ日本ではマイナーなサーンキヤ・カーリカーですが、この理論を知ってからヨーガ・スートラを読むと、いかにパタンジャリ編集部はいろいろなことを泣く泣くカットしているか、という想像が広がります。たぶん実際泣きながらはカットしていないと思うのだけど(笑)、ともかく「ヨーガ・スートラ」は要約の書。ヨーガの拠り所参照ブックだ! という骨太な編集方針がうかがえる。
サーンキヤ・カーリカー自体に興味がなくても英文が読める人であれば、各項の訳は深追いせずに説法部分だけ読んでもおもしろいと思います。わたしはこの本を読んで、なんでこんなにもサーンキヤに惹かれるのかがわかりました。それは、2009年のインド旅行中に聞いた小噺(あとでリンクします)に感動したときの気持ちと同じものでした。この本の中にあるスワミの説明を読みながら、そのことに気づきました。

先に説明部分を引用します。

 Samkyha is not about belief, but analysis and proof. If a truth exists it is knowable by some means. We should use our senses, mind and wisdom to realise and know truth. Our senses are related with and can know the visible world; our mind is related with and infer that which is beyond perception; and our wisdom can be used to realize and experience ultimate truth.
(第4項の説明部より)

「見えないものを信じるか?」という問いとは逆の視点から「でも、見たものだけを信じているわけではないでしょ」というアプローチ。
ここを読みながら、過去の感動がよみがえりました。


(過去の感動ログ)
 ⇒インドのジョーク事情




サーンキヤは信念や確信について語るのではない。分析と証明をするんだ。としつつ、感覚を超えるものについて掘り下げていく。Swami Bawra さんの説明は、単語の説明もイイ!

 There is a word in Sanskrit, sraddha. Sraddha is commonly translated as faith, but it means the adoption of truth.

「信頼」よりも、主体性を持って「真実として採択すること」。英語の勉強にもなる。



わたしはここ2年くらい、【サンスクリット語 ⇔ 英語 ⇔ 日本語】の往復をしながらヨーガ関連の書物を読んでいるのですが、「言語の感覚に縛られるこころ」のはたらきにハッとすることが多いです。「みなす」という行為をいかに主体的に行わずに日々を暮しているか。


話は変わりますが、Kindle版だと通勤でも読めちゃいます。英文でも指を乗せると辞書で引いた日本語が表示されるから。これはこれで、いいですね。ペーパーバッグは書き込み満載で読んでしまうのですが、Kindleの使い勝手のよさを別の角度で感じました。こういう本が電子書籍で買えるのは、実にうれしいことです。

▼紙の本はこちら

Samkhya Karika: With Gaudapadacarya Bhasya
Brahmrishi Vishvatma Bawra
Createspace


Kindle版はこちら

Samkhya Karika with Gaudapadacarya Bhasya
Brahmrishi Yoga Publications (2012-01-06)