うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

実践アーユルヴェーダ(ナチュラルヘルスシリーズ)

実践アーユルヴェーダ
京都の読書家ヨギ・くわくまさんから、おさがりのいただきものです。三名のかた(ゴピ・ウォリアー氏、 カレン・サリヴァン氏、ハリッシュ・ヴァルマ氏)の共著です。背表紙に「専門用語を使わない初心者にもわかりやすい解説」とあるとおり、淡々と続くコラムがなかなかよいです。専門用語を使わずに、警告の要素も丁寧でやさしい文章で書かれています。
翻訳されたものならではの、丁寧すぎて隙のないキビしさを楽しんでください。最後の「太りすぎの原因」なんかは、やわらげようがない(笑)。


いつものように、メモしたいと思った箇所を紹介します。

<20ページ カルマの法則「カルマの形」 より>
 ヒンズー教では、個人のカルマには3つのタイプがあるとされています。
■プララブダ・カルマは、人がもって生まれたカルマで、前世のカルマのことです。つまり、もしあなたが前世で冷酷な夫だとしたら、それが今世や来世の結婚にも影響するのです。別の人生では、冷酷な妻になるかもしれません。
■サンチッタ・カルマは、今世の思考によって蓄積してきたカルマです。
■アガマ・カルマは、今世または来世におけるこれからの行動で生まれるカルマです。

先天・後天の二分類じゃないんですね。
二分類だと「サンチッタ・カルマ」が後天で、さらに輪廻思想の中にあるのが伝承カルマ(アガマ・カルマ)。
この、あたりまえにもういっこ先がある感覚があるかないかの違いってのが大きい。だからインド人はややこしく見える。日本人にはやっぱり現世で「笑う門には福来る」、で徳を積むからね。
インドでお金をせがまれたり、異常に親切にされまくってただそれだけ、ってことが同時にバンバン起こることに混乱してしまうのは、ここのちがいだと思う。

<25ページ バランスの概念「真の健康」 より>
アーユルヴェーダの原典であるチャラカ・サンヒターには、次の条件がすべてそろった状態こそが健康であると書かれています。
■3つのドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カパ)がすべて完璧にバランスを保っていること。
■五感が自然に働いていること。
■体と心と精神が調和していること。
■体の組織すべてが正しく機能していること。
■尿、糞便、汗の3つのマラ(老廃物)が生成され、自然に排出されていること。
■体内の導管(はり治療の経絡に相当する、いわゆるロータス)がふさがることなっく、エネルギーが流れていること。
■消化の火、いわゆるアグニ(西洋医学用語でいう代謝)が健全で、正常な食欲があること。

絶対無理な感じ(笑)。難易度高すぎ。とくに最初の項目。

<33ページ 3つの生命力の特徴 「年齢と季節」より>
幼少時代から10代まではカパ、20歳から50歳まではピッタ、60歳を過ぎるとヴァータの影響を受けます。

なるほど、と思う。60歳をすぎるとカパかと思いきや、たしかに。乾くもんね。「けしからん、けしからん」と言わない壮年期のために、保湿しよう保湿。

<79ページ マッサージ 「マッサージの形」 より>
マッサージには、患者のドーシャ型に合ったオイル、または悩まされている特定の症状に適したオイルを使うマッサージもあれば、オイルを使わないドライマッサージもあります。アーユルヴェーダの医師は、日常的にマッサージを取り入れ、体が新しい活力を必要とするたびにドライマッサージを行うことをすすめています(季節ごと、または春の浄化期間に1回で十分でしょう)。アーユルヴェーダの理論では、カパ型の人は、オイルマッサージよりもドライマッサージを頻繁に行うべきだとされています。

按摩も指圧もドライ・マッサージって言ったら、おっしゃれー。ドライ・フィンガーっとかいったら、007ぽい。クールだ!

<92ページ チャクラへの働きかけ 精神修養 より>
 信頼できるアーユルヴェーダの医師なら、チャクラの開放は非常に時間のかかる漸進的変化の過程であり、精神的に熟達した指導者のもとでなければ実践してはならない、と説明するでしょう。チャクラを開放しよう、つまりチャクラから障害を取り除こうという発想は危険をはらんでいて、深刻な心のトラブルにつながるおそれがあることを、認識しておかなくてはなりません。
 けれども、医師と一緒にヨーガか瞑想、またはその両方を用いて、マルマ・ポイントに関係する特定のチャクラに集中する努力をすることはできます。つまり体、心、精神のテクニックを使って、クンダリニー・エネルギーを、詰まって停滞しているポイントから動かすことができるのです。この場合の目標は、精神的悟りに向かう意識作用において上方のチャクラへと昇ることではなく、体の中でエネルギーが動いていない部位に精神的に集中することです。

龍とか富士山とかと同じ感覚で昇りたいんだろうな、と思うのだけど、運動しないでいきなり坐るのとか、わたしにはやっぱりよくわからない。
最近ウォーキングで背骨観察をしているのだけど、じっくりゆっくり背骨を意識すると、前日に食べたものの風味がふわっと上がってきたりする。油の多いものはやっぱり長居してる。「あらこんなところにまだ居たの」というくらい、滞りというのはあるんだなぁと思う。停滞ポイントへのアプローチ方法は、いろいろあると思う。

<104ページ  若返りプログラム 「すべてを快く」 より>
 ラサーヤナ(サンスクリット語で「再生」、ここでは若返り)を自宅で行ういちばんよい方法は、「快さ」といおうキーワードを覚えておくことです。「快い」ことを考え、性質も生き方も快くあること。調和を促すような話し方、穏やかで思いやりにあふれる態度、シンプルな日常生活、生命と自然を尊重する穏やかな意識、といったことが大切です。

「穏やかな意識」というのは、実にむずかしいけど、いい表現だなぁ。

<131ページ 感覚を鍛える「調和の実現」 より>
五感は五元素に対応しています。音は空を伝わるものです。風はアーユルヴェーダの教えによると神経系と関係があり、触感に対応しているとされています。火は視覚に関係し、水は味覚に必要で、地は嗅覚とつながっています。五感すべてのバランスがとれている(正しく使われている)ほうが、人は周囲の世界とうまく和合し、調和が実現する可能性も高くなります。アーユルヴェーダでは、感覚を鍛えるには、それぞれを等しく使う必要があるとされています。(中略)五感をすべて同じように使い、鍛えなくてはなりません。

そう。筋肉よりも、力よりも、神経。

<172ページ アグニ ─ 代謝の火 より>
 体内位のアグニの質に影響する要因はたくさんあります。食べる量や回数が多すぎる、消化に悪い食事をとる、健康によくないものを食べる、晩にたんぱく質をとりすぎる、といったことが、この火を衰えさせ、力を奪う原因になります。晩にメインの食事をとることも、食べながらの読書やテレビや言い争いと同様に、アグニを弱めるおそれがあります。

種火が弱くなると、「どっこいしょ」が増える。

<176ページ 太りすぎの原因 より>
アーユルヴェーダでは、肥満をはじめとする特定の健康上の問題を、「ぜいたく病」に分類しています。ぜいたくな心の状態とは、自分には浪費できる時間とお金があると信じている状態を指します。

「浪費できる時間もお金もない!」とあまりストイックなのもややこしいので、ほどよくぷよついているとよいと思いますよ。


こういうことが今の時代でも伝えられている心意気こそ、アガマ・カルマの仕事なんだなぁと思う。

実践アーユルヴェーダ (ナチュラルヘルスシリーズ)
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