以前読んだ本に書かれていた「吟遊詩人バウル」について知りたくて、図書館にお願いしたら、これが見つかりました。CDはいっぱい出てるんですけどね。
とってもタフな、男らしいユーラシア旅行記です。
今回も、いくつか印象に残ったところを引用紹介します。
<17ページ 「三十年の輪廻」より>
『インド人が語るニューインド最前線!』(プレム・モトワニ著)によると、結納金制度(ダウリ)は、現代に至っても根強く浸透している。花嫁が親に持参させる現金や高価な実用品は、盛大な結婚式の費用も含めると普通のサラリーマンの年収の三年分から五年分に当たる。その金が少ないと、嫁がいびられる。報告されただけでも年間500件も灯油をかけた焼き殺し事件が引き起こされている。
この話はインド人の師匠から3月くらいにきいた話そのままです。「今でもそうだ」と。
<67ページ 「吟遊詩人バウルと現代」より>
サダハーン師とは、共通語の日本語とヒンディー語が互いに初歩的なために詳しく話ができない。かつて共産党の運動員をしていたという彼は、出生届もなく教育もまったく受けない育ちをしており読み書きができないという。代わりに彼の心とヨガで鍛えた身体の動きがすごい伝達力を持ち、バウルの修行のすごさを思い知らされる。
このサダハーン師の写真も載っていたのですが、ボブ・マーリィのような風体で、目の輝きがするどい魅力的な人。モノクロの小さな写真からでも、原始的なエネルギーが伝わってくる感じでした。
<191ページ 「自由に飛べるようお前自身を鍛えよ」より>
心の運動はイメージすることから始まる。それは人間がつくった規範を超えて大自然のエネルギーにつながっていく。八世紀のチベット僧パダンパ・サンガイは「心の鷹が自由に広げた翼で飛翔することは確かだ。自由に飛べるようお前自身を鍛えよ」(訳・ナーガ)との教えを最後に残した。心と日常生活は切離せないものだ。心の鷹が飛んで見たビジョンが身の回りを正していく。広い世界の隅々とも関わりながら。
"心と日常生活は切離せないもの" の表現として、かなりグッときました。
それにしても、なんで"男のひとり旅人"ってこんなに魅力的なんでしょう。
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