うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ヨーガの思想―心と体の調和を求めて 番場一雄 著

図書館で借りてきた本なのですが、「空海とヨーガ」なんていう章もあり、面白くていっき読みしました。
うちこは、はじめて買ったヨガDVDが番場氏のものなんです。ものすごくベーシックな、NHKのシリーズ。親世代にヨガをはじめてほしいな、と思っている人におすすめ。初心者向きです。いちおうリンクもしておきつつ。

健康になるヨーガ
健康になるヨーガ番場一雄

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家で母からヨガを教わっていた頃、「このDVDのおじさんて有名なの?」と聞いたら、「この人はもうずっとヨガを紹介していて、有名な人だよ」というので、なんとなく勝手に親近感をもって読みました。DVDで見た話し方の落ち着きっぷりが独特で、すごく印象に残っています。

全体がヨガの本。今回は引用しだすときりがないので、うちこセレクトで二箇所、特に面白く読んだ箇所を紹介します。

<111ページ 「ある心理学者のヨーガへの軌跡」より>
(心理学者、牧康夫氏のエピソード。牧氏はフロイトとヨーガ、仏教との接点を研究していたそうです)
「走ることは苦しすぎていつでもそれから逃れたい気持ちが働くし、歩くことは楽過ぎて集中感をともないにくかった。そして歩くことから走ることへの移行は私にとっては飛躍であり、走り始めるまえの鋭い意識はいつまでたってもなくならなかった」


(中略)


その後、牧氏は自律訓練法、座禅を経てヨーガを実践することになる。そしてその後再びジョギングが復活するが、このときにはヨーガの実践とその関わりにおいて、これが再評価されるのである。それについて、「私にとって走ることはあり余る精力の発散や誇示の行為ではなく、そのなかで集中と即応を練習するための活動であり、それはヨーガ種目の一つとなっている」と述べている。


(中略)


「私のヨーガにおける進歩が走ることをより正しいものにしたということがいえようし、また逆に走ることが私の種目の中に加わることによって私のヨーガが促進されたという感じがあり、走ることのもつ緊張レベルを高める効果がここで初めて確実に現れたということができり」と牧氏は結んでいる。

牧氏のいう「集中と即応を練習するための活動であり、それはヨーガ種目の一つとなっている」という感覚にはまだ至っていませんが、うちこは単純にフィジカルをコントロールする技術利点が好相性だと思っていて、それはそのうち書きますね。

<186ページ 「ユングによる『観経』の心理学的分析」より>
『観経』における瞑想法は太陽に精神を集中することから始まっている。太陽をしばらくみつめていると目を閉じても強烈な残像としてそれをみることができる。丸い太陽はそれに続く放射のヴィジョンを準備している。次の水の瞑想は能動的想像の方法によってイメージをつくりだす。

先週高野山で教えていただいた「阿字観瞑想」のときは月をイメージしてやったのですが、講師をしていただいた鈴木さんに「瞑想しているうちに月のつもりが太陽になっていたり、ごっちゃになりました」という話から太陽と月の話をしたことを思い出しました。『観経』に興味を持ったので、あとで自分で読むとき用のメモも兼ねてリンクしておきます。
観経・その一 (現代語版)

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