あまりの暑さに出かけるのを先送りしていたら、会期が迫っていました。
広告を見てなんとなく見たことがある感じだと思って行ってみたら、夏目漱石の後期作品の装丁デザインのかたでした。
早稲田の漱石山房や神奈川近代文学館からも展示物が来ていて、それで作品を観ていたようです。もうハード・ディスクがいっぱいなのか、このたびやっと、作品と作家名を同時に覚えました。
わたしは夏目漱石の絵をあちこちで観てきたので、津田青楓(つだせいふう)が絵の先生だったと聞いて、なるほどと思いました。夏目漱石は、かなり師のタッチに忠実というか、感じがそっくり!
とはいえ、関係性としては、夏目漱石は当時すでに国民的大先生。どっちも先生。
そんな二人の関係性をまとめた展示もありました。木曜会にも出入りされていたそうです。
この展示は図案デザインの歴史をあわせた内容になっていて、夏目漱石の前期作品の装丁家・橋口五葉の作品や、図案の研究会「小美術会」の作品、京都図案をたくさん観ることができます。
なかでも「小美術会」の浅野古香(杉林古香)というかたの作品のモチーフ・構図・タッチ・色使いが独特で、ひと目で虜になってしまいました。
▼「PEN」の記事に、「小美術会」のことが書かれていました
展示の箸休めのような感じで、夏目漱石と寺田寅彦が評した作品と人物像のコメントが廊下にありました。「じじむさい」けどそこがいいと言われて愛されてる。
夏目漱石の『漾虚集』(ようきょしゅう)の見返しの図案を観たときには、わたしの好きな六花亭の包装紙(作家・坂本直行さんの作品)を想起しました。なんか、きっちりしすぎず、地味すぎずというバランスに癒されるんですよね・・・。
自然をモチーフにした作品がほとんどで、どれも色使いがすてきです。
▼14日(日)までです