人は変化を求めもするが嫌いもする。
停滞から抜け出たいという欲望が身体レベルで起こるとき、エクササイズは有効。ヨガに限らずさまざまな運動はそれを満たし、解消してくれる。変化を求めるとき、エクササイズは即効的。
それでも、わたしはヨガを好んで続けています。ヨガは変化を嫌うときにも有効であるという点が、その理由です。ゆったりと繰り返すシークエンスや三点倒立の長いキープは変化を嫌う気持ちを満たし、解放してくれると感じることがあります。この「変化を嫌う気持ち」の存在はもっと注目されるべきものであるように思うのですが、あまり語られることがありません。
先日、両親の離婚のあと摂食障害の状態になった10代の姪を心配する友人の話を聞いときに、この気持ちを思い出しました。大人になっても、たとえば引越しや人事異動のようなことでも、変化を嫌う気持ちがぐっと浮き立つことはあり、それぞれの人が乗り越えています。
わたしは「変化に対応していくことが生き残ることだ」「それがお前の仕事だろう」という論調でやっていく共同幻想が定番化した環境で働くことが長く、その頃にヨガを始めました。そして、その頃はバランス・ポーズの長いキープに癒されていたのではないか。体感で振り返って、そう思うようになりました。
わたしは十数年練習をしてきましたが、その中身を最近は
- 変化を求める気持ちを満たすタイプのアプローチ
- 変化を嫌う気持ちを満たすタイプのアプローチ
の二つの切り口で分解して見るようになりました。
同じポーズでも、滅して鎮めるのではなく満たして鎮めるアプローチもあるじゃないかと、そんなふうに感じることがあるのです。
満たして鎮める
滅して鎮めるというアイデアしかなかったものが、少しずつ変わってきました。
そして変化の葛藤(求める&嫌う)の両方を満たしてくれるのが、シーケンシャルなアプローチです。太陽礼拝はその最もベーシックなもの。
今日の話はモンキー・マインドとブル・マインドについての掘り下げをアーサナへのアプローチに結びつけて書きました。ヨーガの心理学的な面に興味のある人には、以下も参考になるかもしれません。
そうそう。ヨガの三点倒立のキープは
このように足を組むと、内腿で締めつづけることによる消耗を少し軽減できますよん。
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