ここで三点倒立のことをよく書いていますが、わたしはヨガのクラスにアームバランスや倒立を積極的に取り入れています。
理由はいくつもあるのですが、そのひとつとして「自分がパニックになるときの性質のヒントを得やすい」というのがあります。
他人に言われなくても、練習すれば自分でわかるのがいい。どんな占いよりも、如実にありありと自分を知ることができます。
わかる性質は細分化するとたくさんあるのですが、ざっくりこの三つです。カッコ内は自然の中の性質と似ているものを、わたしの感覚で書いています。
- 頭がカッカしてくる(火)
- 胸と背中でざわつく嵐に巻き込まれる(風)
- 腰と足の重みに急に意識が向かって、腕でなんとかしようとする(水)
自身が火にとらわれやすいか、風にとらわれやすいか、水にとらわれやすいか。
これはその日の体液のバランス・精神状態によって変わります。男性は体液のバランスが変わるというのを認識しにくいかもしれませんが、女性はわりとわかる話かと思います。
脚が上がるところまでのところで起こるこの3つの性質は、もともとの考えかたの優位性を示しているとみています。
⇒もっと頭で理解すればできると思っている
⇒もっと心が安定すればできると思っている
⇒もっと持ち上げる力がつけばできると思っている
必要なのは、3つすべて。どれかひとつではないので、補うものの理解をすすめるほうが近道です。
以下のように。
- 頭がカッカしてくる⇒「胸」「腰と内もも」がその上に積み上がるのだから、まずは頭の火を鎮めることを意識する
- 胸と背中でざわつく嵐に巻き込まれる⇒「三点でバランスをとる配分とは」「支える力の配分とは」を計算する
- 腰と足の重みに急に意識が向かって、腕でなんとかしようとする⇒「肘・手・頭。床との接地面はたくさんあること」「背骨とそれを支える脊柱起立筋があること」を考える
ここまでは「トリグナの認識」を全身を使ってやるって、こういうことだと思うのですという話。(トリグナ=3つの性質)
さらに。
逆さまのままいろいろなアクションが取れる段階になると、以下も身体で理解している状態になります。
- 足の先には空があり(空)
- 手と頭の下には地面がある(地)
足を泳がせてみたり、頭を浮かせてみたりというのは、地水火風空の「五大」の認識を全身を使ってやっている感じかなと、わたしはそんなふうに捉えています。
じーっと静かにキープをしているときでも、以前は漠然と「胸と背中でざわつく嵐」だと思っていたものが、実は足先と頭の周囲にもあることがわかってくる。全身のまわりに空間があることが認識できる度合いが、パニックになっていないという状態。
こういう観察を続けていると、
人って、いつもどこかがパニックなのね
バランスが取れているというのは、一瞬のことなのね
その連続性やまとまりが、統一感なのね
ということがわかってきて、「あ、いまアホなこと考えた」という自分をいちいち責めなくてすむようになります。
正常というのは "たまたまの連続" で、正常の基準も全体の平均に近いところにいれば、そういうことになっているだけ。
自分の日常の意識の中にも、小さなパニックがいっぱいあるんだな、常識の衣に身を包んでごまかしてるけど。と思えば、少しラクになれる。わたしにはそういう思いがあって、バランスポーズでちょっと遊んでみることをおすすめしています。