渋谷駅から文化村へ向かう坂をさらにどんどん上がった先にある、渋谷区松涛美術館で開催中の展示「畠中光享コレクション インドに咲く染と織の華」を観てきました。
こじんまりとした美術館で2フロアを使った展示。さまざまなインドの布が展示されているのですが、インドはなんたって日本の国土の8倍。北と南と東と西ではぜんぜんちがう。この展示は入口に地図もあって、デザインの傾向を地域ごとに見比べられる。わたしはすっかり「西インド」の図柄のとりこになってしまいました。
明確に州がわかるものは州の名前が明示してあるのだけど、わたしが格別に気になったのはその明示のない「西インド」の布。
この展示はなんと撮影OK。図案や配色のアイデアが欲しいな…、なんて人が気分転換がてら行くのにもおすすめ。
布なのでモコモコ感・ちくちく縫った感、図案の脱力感など、写真では伝わりにくいと思うのですが、わたしが格別にかわいいわーと思った布を言葉で補いながら紹介します。
美術館の展示室へ入ると、こんな感じ。
近ごろスケールの大きい展覧会がしんどくなっている、そんなわたしにちょうどよい展示量。
そしてわたしがすっかり見入ってしまった、西インドの布のデザインは
オリエンタルな雰囲気をまとっていたり、赤の使い方がとてもアジアっぽい布。
イスラームや中国っぽさが混ざっていたり、モチーフや絵の世界がザ・インドという感じではないのが魅力。
こんな脱力系の図柄が、刺繍で! ものすごい手作業で、脱力図案。
こういうの、たまらんなぁ。真ん中は真面目に縫ったのだから、周りは遊ばせろ〜。みたいなのがいい。
「松涛いうたら、麻生太郎さんの住んでいるところ?」くらいのことしか知らなかったわたし。東京にはいろんな場所があるんですね。もう少し坂の下のお笑いライブや映画をよく観にいくエリアまでは馴染みがあったのだけど、この周辺から急にヨーロッパみたいになる。
帰りに坂を下りながら
このお店を見て、ほっとした。ロゴの上の赤いスペースが気になる。こういうアンバランスな引っ掛かりがうれしい。
そうそう、わたしが歩いていて落ち着けるのは、こういうところ! 渋谷の中で、ホームグラウンドへ戻ったような気分になりました。
この展示はとても楽しいので、もう渋谷のヤングなエリアはきっついわーという皆々さまへ、たいへんおすすめです。
▼今日紹介した展示(9月24日まで開催中)