すでにどこかでヨガの指導をしていたり、いまティーチャートレーニングを受けていてこれからどこかで指導をしたいと思っている人から「ブログを励みにしています」と言われたりして、「なにを? というか、どのような点をどのように?」ということがたまにある。
あまりその「どのように」の部分は掘り下げていなかったのだけど、今年地方のヨガクラスで久しぶりにそういう人に会ったので「がんばっている感じなのかな…」と思って「元気でクラスをやっていますか?」などと尋ねてみたら「はい! 基本ネガティブなんで!」という反語の文脈で明るい返事が返ってきた。
彼女はアーサナの練習を見ているととても耳がよいと感じる人で、べらぼうにインストラクターの素質を感じていたから一瞬おどろいたのだけど
そういうことか(笑)
なるほど、わたしはネガティブ世界から生まれた小さな星のような存在か。
「オロナミンCは小さな巨人です」とは逆の意味だけど同じ文法、みたいなそういう感じか。
であるとしたら、うれしい。ぜひわたしを手本にしたまえ! くらいの自信が湧いてきた。
わたしはたまにこの場で「ヨガのスタジオでたまに聞くけど、よくわからない単語」について書いています。まえに「リトリート」について書きました。そのほかにも、単語は知っているけど「ここでそれが出てくるのか!」と驚いたことのある言葉に「オーディション」があります。
わたしは古い人間なので、「オーディション」と聞いたら、それはレオタードを着て歌って踊ること。ウエストにはスカーフ。網タイツにするかは悩ましいところ。網タイツにするときは、スカーフはナシだ…。などと妄想だけをする。
もちろん経験はない。でもスポーツクラブで指導をしている人などは何年も前からその単語を普通に使っていて、ヨガでも最近普通に「オーディション」と言うらしいのです。
どきどきするなぁ。ちなみにレオタードは着なくていいそうです。わたしの素朴な昭和の疑問に、インストラクター仲間のIさんが答えてくれました。
(ふいに彼女の口から「オーディション」という単語が出たときのこと)
うちこ:オーディションて、なにするの? 面接とは違うの?
Iさん:面接はね、面接で、別でやるの。そこで経験とか聞かれるの。オーディションはあらかじめポーズが決まっていて、ちょっと指導の出だしをやってみてください、みたいな感じ。短いのだと、ほんの出だしだけだよ。
うちこ:設定とか、あるの?
Iさん:主催者とかその学校の層に合うかってのを見ているのをこっちはわかっていて、あんまり説明しない人が多いかな。
うちこ:それは教えかたを見ているわけではない感じだよね…
Iさん:まー、声とか話し方とか雰囲気とか見た目を確認してるんだろうね。
と、こんなふうに教えてもらったことがある。
もちろん、「うちのスタジオはそんなざっくりはやっていない。もっとちゃんとみてる!」という経営者の人もいるでしょう。わたしは経営者側の人の話を聞く機会もあるのだけど、まあ要するに、マッチング。「ちゃんと」とか「いい人」とか「社会人として」というのは、状況で変わる。
わたしがオーディションを受ける側になることを想像すると、「設定」をすごく聞きたくなっちゃうから、その時点でめんどくさがられて落ちそうです。
そしてあらためて、この商慣習を観察しなおす。なんで「オーディション」と言うのだろう。
「ロール・プレイング試験」(運転でいうと「路上試験」みたいな感じ)とは言わないのね。わたしはかつての仕事でセミナー講師をするときの公開練習を「ロープレ」と言っていたけれど、ヨガだとオーディションになるのだから、こわい! これは多分に「タレント要素」みたいなのを多く見ているってことなのでしょう。だとしても、この単語、びびりませんか? わたしはすごーーーく、びびります。
考えただけでブルーどころかグレーになったところに不安の火が回って、制服をロング・スカートにしそうな勢いでグレそう。ヨガスタジオのオーディションは、せめて「欽ちゃんの仮装大賞の地方予選です」みたいな雰囲気を出してくれたら、「よし、いっちょ、ネタ作って出てみるか!」と思わなくもないのだけど…。
わたしは一生、受けられそうにありません。