テレビブロス上の連載Q&Aがいつも地味な破壊力。それが文庫化されたということで、迷わず買って読みました。
経験をもとに断定した考え方の上にある処世術がすばらしい。
私は「虚しい」になったときは、意識的に「怒り」に変えます。(P58)
「虚しい」がエスカレートすると死にたくなったりするから。って。
なぜだろう。何かを伝えようとするといつも自分の嫌いなところをさらけだしてしまう。(P143)
こういうつぶやきに、キューッとくるのがいっぱい。
男はだいたい教えたがりぃです。バカな女のほうが好きです。でも全くの無知、暖簾に腕押しな女にものを教えるのは大嫌いです。自分よりバカなんだが聞き上手、最低限の単語を知ってる女が一番モテるんです。(P164)
「でも全くの無知、暖簾に腕押しな女にものを教えるのは大嫌いです」ってのが!
男の人なんて特に序列の生き物だから、見た目怖そうな人には絶対態度変えるでしょ。女子供には道譲らないくせに、そういう人にはすぐ道譲るから。それが男ってもんよ。(P182)
父のダジャレがしんどいという相談者(娘)に、圧倒的にダジャレの腕を磨いて言えなくさせろという説明に出てくる。ダジャレの序列で上に行けと。
認めた人の言葉はアドバイス、認めていない奴の言葉は非難に聞こえます。(P188)
「言いかた」以前のことって、ほんと大きい。この文字数で言い切る技術に感動。
解決案がたいへん具体的な上に、経験に裏打ちされた分析がかなり的確に見えます。
光浦さんの葛藤がたまりません。末尾に登場する宇多丸さんの指摘もすごい。
バイブルです。女性は読みましょう。