うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

言葉を使いこなして人生を変える はあちゅう 著


しばらく重かったり激しかったりする本ばかり読んでいたので、久しぶりの息抜き読書。
半径5メートルの野望」の頃よりも、おそろしく癒やし度があがっていてびっくり。恋をしている様子がかわいい。
・・・なんだけど、そのなかに差し込まれる「怒りのエネルギーを知っている感じ」と、その魅力を自分自身で振り返るところが異様に沁みたりもする。
このように!

今の私も好きだけど、私は昔の私に会えないのがたまにどうしようもなく悲しい。
自分を持て余していた頃の私、不満だらけの時期。
あの子、とっても元気だった。
いろんな夢を見てた。
(「心をこめる」ということ より)

この感じが響くのは、たぶん昔のわたしの心にも硬い物体があって、その記憶がぶつかりって鳴るから。
そしてこの共感すらも「同じ病気を持つ人」というトピックに書かれていて、ニヤリとしてしまう。うまいなぁ。
相変わらず性善説だけではないところが、すごくいい! 以下が特に。

  • 話していて面白くない人の特徴
  • 安全は買うもの
  • 好きなことを仕事にする方法


この一冊の中にちょこちょこインドネタが出てくるのだけど、トイレのリスクのために胃に何も入れないようにするとか、そういうあたりまえのことをして、あたりまえのことを積み重ねている。わたしは「あたりまえのこと」をせずになにかを得られると考える人をまったく信用しないところがあるから、はあちゅうさんのエッセイを読むとすっきりする。まるで快便の朝のよう。


今回は末尾のメモにあった以下もよかったな…。

【日本語を磨くための外国語勉強】
外国語の勉強をしていると「この単語は日本語で言い換えるとなんだろ?」って考えることで、日本語能力も磨かれる。頭の引出しの中から的確に、スピーディーに単語を引き出す能力の勉強になるんだと思う。

これはほんとうに、そうなんですよね…。インド人って、なんであんなに祈るのさ。というのは、言葉を学ぶとわかる。


言葉には敏感な人とそうでな人がいる。その敏感さにもいろいろあって、「自分に好都合か」という判断基準だけで言葉に反応する人は、やっぱり遠ざけたほうがいい。見分ける知恵が必要なんですよね。そういう感じも「言葉がつくる都合のよさ」などのトピックに書かれていました。
いろんな人が寄ってきて、いろんな思いをしてこのエッセイができあがっているのがよくわかる。そこをお金に変えていることに対してもちろん自覚的でありながら、やりたいことも叶えていく。いまどきの頭のよさって、こういう感じだと思う。なんとなく手のひらで転がされた気のする一冊でした。