わたしも夏先生にめっちゃシゴかれたいー! と、そんな気持ちでイッキ読みしてしまいました。プラクティカルかつ集団で動く事もあるダンスの世界って、やっぱりすごい。
「センター」と「エース」の違いを述べた上で、持ち場持ち場で輝く地位を獲得していくのにも努力の必要性を説く。
こんな言葉が刺さる。
- 一歩踏み出した足を止めないこと。
- バブル時代に流行ったようなシンデレラストーリーは幻想であり、夢への階段は基本的には一段ずつしか上がれないということです。
- 運はあくまで努力の先に降りてくるものであり、おまじないなどで楽をして引き寄せられるものではありません。
- 大切なのは強調することではなく「目的を共有」することです。
あたりまえだけど、努力って、ひとりでするもんですよ、と。
<「群れない時間」をつくりなさい より>
より具体的にいうなら、身内に気を遣い、仲間から浮かないように足並みをそろえることが「チームワーク」だと思っている人がいることが恐ろしいのです。
同じ考え方を持った同じレベルの人が集まって、みんなで手を取り合いながら同じ方向をみて頑張っていく──。
それがチームワークなのだとしたら、そんなものはいますぐ捨てたほうがいいくらいです。エースをめざす人はもちろん、そこに関わるすべての人にとって、横並び主義のチームワークは決してチームを成長させない「無用の長物」です。
きっぱり。
<協調しないほどチームワークはますます強くなる より>
「協調性がない人ばかりが集まって、はたして仕事がうまくいくのか?」そのような疑問に対しても、大丈夫だと断言できます。たとえ個人が協調性を意識していなくても、一人ひとりがプロの自覚を持って「最高のパフォーマンスを生む」という意識で動いてさえいれば、最後は必ずうまくまとまります。なぜならプロは、自分の我を通して「いい仕事」をしても最高のパフォーマンスは生まれず、最終的には評価されないのを知っているからです。
わたしは「いいねぇ」とか「シビれるねぇ」とか、そういう感覚で共鳴できる仕事で「協調性」の重要性を説く人を見たことがない。そういう場面で「協調性」で水を差してくる人を見ると「こういうのをルサンチマンっていうのかなぁ」などと思ったりしたことが過去にありました。
こういう、闇の部分も吞み込んだ上で語られるので、かなり引き込まれます。
「言葉が丁寧な人ほど、じつは要注意」という章以降に「こんなこと言ってくれる人、いまどきなかなかいないぞ」と思う事がたくさん書かれていたのですが、以下のことはほんとうに! とうなずく。
<なぜ「まったく相談にこない子」のほうが伸びるのか? より>
私の場合でいうと、ほとんどは「私はこんなに頑張っているのにどうして立ち位置が後ろなんですか?」と不平不満を主張したい人、あるいは「夏先生と仲よくなって距離を縮めたらいいことがあるかも……」という計算のもとにくるひと、そのいずれかです。
いろいろズバズバ書かれているのですが、なかでもこの後者のほうを言っちゃうのがすごい(笑)。ロビー活動ということで勘弁してあげて!
たいへんスカッとする本でした。
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