インドという国は慣れれば慣れるほど、日本に居るときの感覚でいう「唐突」「イレギュラー」「なぜか、どういうわけか」という感覚がなくなっていく不思議な場所で、これはキャパを広げているというのが正しいのか、日本に帰ってから社会復帰が難しくなるということなのか……。両方です。
唐突にチャイをおごられたと思ったらその日の夜にインド人の断食明けパーティーで過ごしていたり、オートリキシャーに高額の支払いを迫られ「いやいやそりゃないでしょう」とやった直後にスーッと知らないおじさんがバイクに乗せて宿まで連れて行ってくれたり。
瞬間瞬間にそれぞれの人のドーシャのバランスがある。そんな各人のドーシャが奔放にクロスする町、インド。
これは、リシケシ・マーケットの奥にあるガート近くの遊技場でのできごと。
よくデパートの屋上にあるようなアレがあって、にしてもやっぱりデザインがふざけてるなぁ、と思ってカメラを構えていたら。
「ちょっとまったー！」
と、おじさんが小走りで来た。
す、すばやい……。
素面。
プロだ！（なんの？）
ほんの一瞬のできごとだったけど、「わかってる人」って、いるもんなんですね。
マリーゴールドのセット位置、ポージングともに、完璧……。
「ゆきずりの親友」を見つけたような気持ちになりました。
