うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ヨーガ入門―自分と世界を変える方法 北沢方邦 著

ヨーガセミナーでの講義と実践から書き起こされたもの。
それがあとがきに書かれていて、読んでいる間は「なんがか奇妙なインタビュー仕立てだなぁ」という印象でした。
「入門」というわりにはかなり深いところまで書いてあり、「続けていくと、このように感じられます」ということもたくさん言及されていますから、ヨーガを始めて「お。ちょっと身体が変ったように感じるぞ」というタイミングの人が読むと最も面白く読めるのではないかと思います。

巻末には少しですがヨーガのポーズ集があり、ヨーガバイブルに載っていないやさしいポーズもいくつかありました。時間のあるときにチャレンジして、ここにもアップしたいと思います。

今回は2箇所、引用しつつ紹介します。

<55ページ 「沈静の呼吸法」より>
バハストリカーでは、激しい呼吸をおこなうことで興奮状態を引き起こしてはならない、といいましたが、このことに関連して通常の誤解を解いておきましょう。つまり集中力は、緊張からは絶対に生まれない、という真理です。
入学試験とか、私の場合だと講演の場、また重要な競技や試合など、それぞれにとって決定的な場面で、意識や精神が極度に緊張すると、身体全体が硬直し、必然的に血流が悪くなる。必要な酸素エネルギーが脳や手足に運ばれなくなります。集中力というのは、端的にいえばプラーナまたは気の集中ですから。それでは正反対の結果となります。
つまりスポーツなどでもよく、「肩の力を抜け」とか、「平常心を保て」、あるいは打席に立つときや試合の直前に「深呼吸をしろ」などといいますが、それは緊張からは集中力は生まれない、という真理を表現している。しかし、その場でことばでそういわれても、急に身体の力を抜いたり、リラックスすることはできません。全身の力を抜き、思考や精神を柔軟にする日常の訓練によって、それがはじめて身につく。ヨーガやその呼吸法が、集中力を高める絶好のトレーニングなのですね。

仕事のプレゼンを聞くときに、よく思います。ヨガの上達が早い人は、いい意味で「あきらめ」がある。「やらないよりは、やったほうがいいに決まっているんだから、いまこの場にいるだけで、昨日よりはいい状態だわ」という気持ちでやれば上達も早い。


<70ページ 「マツィヤ(魚)・アーサナ」より>
あたかも水中の魚が鰓で呼吸をするようにみえることからこの名があります。

なんでこれが魚? と思っていたのですが、由来を知ったら納得。


この本の「自分と世界を変える方法」というサブタイトルはちょっと大げさな感じがしますが、でも、ヨーガを長く続けているとこんなふうに感じられるようになりますよ、という記述はどれも本当に正しいものだと思います。イラストがちょっと「ちびまる子ちゃん」風なのも愛らしいです。

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