ご近所ともだちのユキちゃんの日記を読んで、さっそくリクエストして貸してもらったもの。
6年前くらいでしょうか、NHKでビーチ・ボーイズのヒストリー番組をやっていて(来日するからだったのかな?)、あれ、もう一度見たいなぁ。
20代の前半くらいまででしょうか、タワーレコードなどでは「ソフト・ロック」とくくられる音楽を聴きまくっていました。ビーチボーイズのクローン・バンド的な扱いを受けている「THE SUNRAYS」のアルバムのライナーで、ブライアンの父(このアルバムのライナーでは「マレー」と表記。表題の本では「マリー」)のヒトラーっぷりを知ったので、いま棚から引っ張り出してあらためて読んでみました。解雇は相当ショックだったようです。
ちなみに「THE SUNRAYS」のアルバム「ANDREA」は、ソフト・ロックというくくりの中で売られているもののなかではけっこう聴いたほうです。
音楽の話は書き出すときりがないのでここではあまり書いていません。ので、話を本題に戻しまして、今回もいくつか引用して紹介します。
<115ページ 第6章より>
ビートルズは、ブライアンに言わせれば「骨格ぎりぎりまで肉を削いで、単純化されたアレンジメントをとる、僕は逆にどんどん複雑化していくことになる」。
「たとえば、『ノルウェイの森』は一台のシタールと一人のヴォイスだけだ」と彼は言う。「僕ならオーケストラをつけて、バック・ヴォーカルをつけてと、ありとあらゆることをやっただろうね。しかしこんなにシンプルなかたちでものごとをまとめてしまえるというのが、ビートルズのすごいところなんだ」
それはそれは、ワクワクするような刺激だったのだろうなぁ。
<154ページ 第10章より>
ニック・コーンというライターは『ペット・サウンズ』のことを「幸福についての哀しい歌の集まり」と呼んだ。この名作アルバムをこれほど短く的確に表した言葉はほかに見当たらないはずだ。
「素晴らしさとその性質」を伝える技術として、すごい表現。
<158ページ 第10章より>
ポール・マッカートニーは『ペット・サウンズ』を「時代を画したレコード」と呼んだ。
<同じ流れで159ページ 第10章より>
ビーチ・ボーイズは英国で人気があった。以前ミック・ジャガーが何人ものディスク・ジョッキーに「アイ・ゲット・アラウンド」を放送でかけるようにしつこく言ってまわって、宣伝に努めてくれたことがあった。
そのあと、このアルバムを気に入った(The Who)のキース・ムーンがジョンとポールにコンタクトをとってホテルで何度かそれを聴き、二人が言葉を失っていた、というエピソードが続きます。
「ペット・サウンズ」以前のビーチ・ボーイズは、「やっぱり日照時間の多いところで生れる音楽って、無条件に明るいわぁ」と思わせるポップさと、そのコーラスの美しさと緻密さが不思議な魅力だなぁ、と思うものだったのですが、この英国人たちの度肝を抜いた「ペット・サウンズ」には日照のイメージがない。あっても木漏れ日、くらいかな。ストーンズもフーもビートルズもキンクスも・・・とらえられない印象のものすごい刺激をうけたんだろうなぁ。
まだ聴いたことのない人は、1500円で買えますから、一家に一枚。です。
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