うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

高野山と阿字観瞑想、宿坊「遍照光院」

木曜から週末にかけて、高野山と東寺を中心に空海さんゆかりの地を訪ねてきました。
あまりにもたくさんのことを感じてきたので、ここにどんな風に書こうかなぁと困ってしまうのですが、何度も足を運ぶ理由をたくさんいただいてきたので、長い年月をかけてゆっくりとお伝えしていこうかと。
年内にもう一度、夏に行きたいんです。4月の中旬で、気温7度。今回はこんなに寒いとは想像しておらず(宿坊はこたつ生活)、不用意な薄着で行ってしまったので。あと、次回はケーブルカーを使わずに、自分の足で登りたい。


めちゃんこ寒かったんです。でも、次回は九度山町から自分の足で登りたい。(健脚コース。21キロですって。ハーフマラソンの距離です)


美しい高野山の景色については写真が上手なみなさんのサイトにお任せするとして、ここでは一緒に行った同僚のしげさんのカメラにあったこの素敵な写真に感想を集約します。

「雨の奥の院も素敵と言う人がたくさんいますよ」と、純喫茶のママにモチベートしていただきつつ歩いた奥の院の1枚。「ザ・世界遺産」という感じがすごくよく伝わってくるでしょ。この写真、カラーで撮ったのにこんな風に撮れた不思議な1枚なんです。


2日間の日中まるまる、車道のほとんどと奥の院を歩きました。初日はひとりだったので黙々と山道も歩きました。空海さんの気持ちを想像しながら。寒く険しい雨の山道を歩きながら、これよりもさらに厳しい自然の中、山を切り開いた空海さんのエネルギーに感服しながら。


今回の旅は、基本的に目的は見つけるけれども段取りが苦手なうちこに「そんなに空海さん好きなら、うちの実家が高野山に近いけど、来る?」と声をかけてくれた同僚しげさんに、「行く」の二つ返事でおまかせした旅。宿坊は、しげさんにもらったガイドブックの中から空海さんゆかりの度合いの説明でビビっときた「遍照光院」さんへお泊りさせていただくことにしました。

★宿坊そのものの説明は、ちょうどよい特集があったのでリンクしておきます。
南海高野ほっと・ねっと 「特集:宿坊を訪ねて/遍照光院」


同僚のしげさんが「阿字観瞑想を体験したい」といううちこのリクエストに加えて、「ヨガをしている人と行くので、ヨガにまつわるお話もきければ嬉しい」と事前説明をしてくれていました。泊まる夜の再確認の時、「ヨガのお話ができるものは今日は山を下りており、明日の朝に戻ってきますので、話しておきます」とのこと。

朝のおつとめ(6時半からの読経と焼香)に参加し、本堂と護摩堂を見せていただいた後、朝食をいただいてお部屋に戻ったら、ほどなく「鈴木さん」がやってきました。
「坐法はおわかりになるかと思い、そこは省略しましたが、人数がある程度のときはこんな風にやるんですよ」という段取りどおりに行くと、



まずお部屋で坐法の説明を聞いた後に、このように襖を開けて



「月」をイメージする絵の前に座ります。



近くで見ると、ユニセックスな人のお顔と、大日如来が結ぶ「智拳印」が描かれています。
ここでは瞑想に入りやすいよう、このイメージを使うそうですが、実際の「阿」の字のお部屋も見せていただきました。(右上の写真)


この絵の前に座り、
 1)目を開けたり閉じたりしながら
 2)目を閉じて
 3) 自分の身体、心の中の目で
の三段階の瞑想を行っていきます。


とにかくあまり考えないで、気持ちよくふわーっとして、お風呂に首まで浸かっているような感じ。という説明どおりにいく瞬間もあれば、

 ・寝てるのか起きてるのかの境目にいる瞬間
 ・あたたかい電車のシートでうとうとしているようなほんわりした瞬間
 ・いつのまにか月が太陽に替わっていたりする瞬間
 ・ぜんぜん関係ないことを思い出す瞬間
 ・ほろ酔い的な瞬間
 ・うわぁぁぁぁっ! て脅かされたら間違いなくおしっこチビるほどの弛緩した瞬間
などがありました。


なかなか普段こんなふうに集中できる空間にいられることがないので、本当によい経験でした。「夏はお庭でぜひ瞑想しに来てください。鳥や虫の自然のBGMが最高ですよ」というお誘いに、その場で「今日から住み込んでいいスか」という言葉が出そうになりましたが、そうゆうわけにも行かないので帰ってきたんですけどね。


阿字観瞑想体験の後、「ヨガから始まって、三蔵法師空海さん、密教真言インド哲学・・・といろいろ繋がっちゃうんです」という話から、本のこと、お寺のこと、ヨガのこと、高野山のいろいろなことなどを時間の許す限りお話してきました。貴重な襖絵の説明もいただいて、瞑想とアートを一緒に堪能させていただいた、本当に素敵なひと時でした。
鈴木さんはうちこが今回の旅の散策のために持ち歩いていた本(後日紹介します)を見て、「これは新しい本ですかっ!」と言っていそいそと紙とペンを持ち出してきて、熱心にメモをとっていらっしゃいました。間違いなく注文しているはず(笑)。

本当に学びの多い「初・高野山体験」だったのですが、まだまだ奥は深く、残してきたテーマもいっぱい。次はいつ行こうかな。

★追記:結局このあと8月にまた行きました。宿坊日記は「こちら」。


ウェブで予約ができます。
便利ですなぁ。