どんどん暑くなって、仕事の休憩時間に読む本がエッセイ中心になっています。
村井理子さんの書く文章はタイトルも小見出しもパンチが強め。内容もちゃんとそれに沿っています。被害者意識バリバリ溜飲サゲサゲの展開を巧みに避け、うまいし泣けるしで、大好きです。
仕事の合間に号泣しちゃうとかほんと困っちゃうのだけど、それはとても気持ちのいい涙。境遇も生活も地域も自分とは違うのに、ママ友の話で号泣しちゃう。
わたしは、一人になりたい! はじゅうぶん満たされているはずなのに、境遇が違っても立場が違っても持っているものが違っても、共通することが書かれています。それらしい言葉を使うと「ゾーンに入りたい」ということ。
暗黙の頼まれごとのない状況でゾーンに入りたい気持ちは、一人でいてもあることです。
思春期の少年たち(著者の双子の息子)へ向けた観察眼も、近寄り過ぎない書き方もうまくて、かといっておばさんキャラを炸裂させるでもなく、いい塩梅。
けっこう重いことも書かれているのに湿っぽくなりすぎない文章に魅了されています。